事業所8割が「採用困難」 道の保育士実態調査結果 給与改善、増員求める声多数(道・道教委 2024-06-07付)
道は5年度北海道保育士実態調査結果をまとめた。保育士が職場に改善してほしい事項は「給与・賞与等の改善」が8割、「職員数の増員」が5割と高い。保育所など事業所の8割が保育士の採用に困難を感じており、保育士養成施設の学生は「職場の雰囲気」「初任給の高さ」を重視していることが分かった。
調査は保育人材の確保に向けた基礎資料とするもので、平成27年度以来2回目。道で登録する保育士のほか、事業所、養成施設、学生を調査対象に加えた。回収数は保育士2259人、事業所452施設、養成施設36施設、学生1021人。調査時点は5年10月1日現在となっている。
回答者の94・6%が女性で67・4%が保育士として就業。勤務先は認可保育所・認定こども園が68・0%と最も高く、正規職員が60・3%だった。
現在の職場の満足度は「自宅からの通勤時間」「仕事全体のやりがい」「勤務日数」の順に高い。改善してほしい事項は「給与・賞与等の改善」「職員数の増員」「事務・雑務の軽減」と続く。
保育士の仕事を辞めた理由(複数回答)は、「結婚・妊娠・出産・育児」が35・9%、「職場の人間関係」が24・1%、「処遇の不満」が22・8%と高い。仕事に戻る際に不安に感じることとして「給与等、年収など経済的条件」「体力の低下」「職場の人間関係」と続いている。
保育士が安心して働き続けるために効果的な取組として、職場環境では「給与・賞与面の充実」が86・8%と最も高い。人材育成の面では「スキルアップ、キャリアアップの研修体制の確保」「復職に向けたブランク対策」が4割以上と高い。事業所の82・3%が保育士の採用に困難を感じており、90・1%が「求人しても人員が集まらない」と回答している。
保育士養成施設によると、学生の人気が高い事業所の傾向は「職場の雰囲気が良さそう」が55・6%、「初任給が業界平均より高い」が47・2%。学生の74・0%が保育士として就職を希望する一方、賃金等の理由で就職を決めかねている学生が19・1%、理由が解消されれば就職を希望する割合は49・6%だった。
道は、給与面や職員数の増員などを求める声が多数あったことから、さらなる就労環境の改善に取り組む必要があると分析。調査結果を踏まえ効果的な保育人材の確保策を検討する。
(道・道教委 2024-06-07付)
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