地域づくりへ道社会教育セミナー リーダーは“ご機嫌”で 湘南学園・住田学園長講演(道・道教委 2024-06-11付)
道社会教育セミナー
道立生涯学習推進センターは5月30日から2日間、札幌市内のかでる2・7で道社会教育セミナーを開催した。研究テーマは「持続可能な社会の実現に向け、地域の可能性を引き出す学びをつくる社会教育のあり方」。学校法人湘南学園の住田昌治学園長が「カラフルな地域づくりと社会教育への期待」と題して基調講演を行い、人と組織の育成の面や組織パフォーマンスの面において、校長などのリーダーが“ご機嫌”でいることの重要性を説いた。
セミナーは、地域づくりや人づくりを推進する生涯学習・社会教育の中核を担う社会教育主事等の専門性を高めるとともに、地域の生涯学習・社会教育を推進する上での課題と、その解決に向けた方策について理解を深めることが目的。
道内市町村教委の社会教育主事ら約230人が参加した。
初日の開会式では、菅原裕之教育部長があいさつ。人口減少・高齢化社会の到来、グローバル化などの社会的変化の進展に触れ「地域の核となる学校教育と社会教育の連携による世代を超えた地域のつながりづくりや、学びを基盤とした社会教育活動をオーガナイズできる専門性を備えた社会教育人材の質的な向上・量的な拡大が求められている」と指摘。
このような中、子どもと大人が共に学び合う場の創出や、多種多様な人・団体との交流を生み出す仕掛けなど、様々な工夫を凝らしながら、社会教育を基盤とした地域コミュニティーの形成に貢献している社会教育主事に対して敬意を示した。
その上で「こうした取組は、道教委の施策の柱の一つである“地域と歩む持続可能な教育の実現”と一致するもの」とし、引き続き、北海道の教育全体の充実に向けて積極的に取り組むよう求めた。
引き続き、住田学園長による基調講演「カラフルな地域づくりと社会教育への期待」を行った。
はじめに、教育現場における“カラフル”について「カラフルは、柔軟で子ども中心の教育のことで、一人ひとりが大事にされ、それぞれ自分らしさや良さを発揮することができ、誰一人取り残されることなく、子どもも大人も、生き生き学び、働き、輝く状態のこと」と論じた。
また、学校全体が、地域が徐々に色付くESD(持続可能な開発のための教育)として「もみじアプローチ」を紹介。「紅葉が色付くように、徐々にESDが学校の中に染み込み、持続可能な教育が実現し、その色は地域へと広がり、持続可能な地域社会につながっていく」と説いた。
このほか「ご機嫌はリーダーとしての最重要リテラシー」と強調。「校長などのリーダーがご機嫌でいることは、人と組織の育成の面でも、組織のパフォーマンスの面でも、非常に重要」と説いた。
講演後には、同センターの森健太郎主査が研究テーマについて説明したほか、「地域のつながりづくりに向けた社会教育のあり方」をテーマとした研究協議や基礎講座①「社会教育事業のいろは」を行った。
2日目は、前日に引き続き研究協議を行ったほか、基礎講座②「社会教育における今日的な課題への対応」を実施。北海道文教大学の吉岡亜希子教授と、北海道に夜間中学をつくる会の工藤慶一共同代表を講師に、鼎談型講義「多様な学びの場のあり方~夜間中学の現場から」を展開した。
(道・道教委 2024-06-11付)
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