釧路市小中校長会 後継者育成へ 研修プロジェクト推進 職能研修で意識醸成や論文等(関係団体 2024-06-10付)
釧路市小中校長会・小玉会長
【釧路発】釧路市小中学校校長会(小玉功会長)は、管理職の確保が困難になってきている現状を踏まえ、本年度、将来の学校経営などを担う後継者育成を目的とした「後継者育成研修プロジェクト」を進めている。キャリアステージに応じた人材の確保や職責を担っていく意識の醸成を図ることで、管理職を目指す教員を育てる体制づくりと経験に応じた資質・能力の向上を目指している。
同会では、以前から学校経営を担う人材育成を目的に、教頭を対象にした職能研修や一般教諭向けの木曜会を実施するなど、様々な教育課題解決に向けた取組を行っている。
しかし、主幹教諭や教頭職への希望者は、釧路市でも年々減少傾向にあり、管理職不足は喫緊の課題となっている。これらの課題解決に向け、新たに後継者育成プロジェクトチームを構成した。
後継者育成研修プロジェクトは、主に職能研修を対象に3段階(①意識醸成②論文作成③面接対応)に分けて実施される。
意識醸成は、自ら職責を担う意識や職能研修に臨む姿勢などを高めることがねらい。
論文作成は、論文を通して教育課題を認識し、今日求められている教育者としての資質や能力を向上させるための大切な要素として意識させていく。
面接対応は、自身の教育理念を明確に示すため、個々のスキルをより一層伸ばせるよう取り組んでいく。
うち1回目の職能研修は5月下旬に行われ、小玉会長が校長としての心構えなどを説いた。
学校教育法第28条第2項を提示し「責任を負えるかではなく、負わなければならぬという事実があるだけ」と校長職を担う上で、その事実と向き合う覚悟を強調。「ボス」と「リーダー」の違いを示した上で、ぜひ周りの人から信頼されるリーダーになってほしいと訴えた。
今月からは論文作成に関する研修が行われ、3人の校長が講師を務めた。
はじめに美原小学校の藤森美由紀校長が論文作成の目的や意義について説明。
論文は、教育課題をどう認識し、解決のためにどう取り組むかを理論付けすることと、検証する具体的な方策・実践について演繹的に記述することが重要であるとした。
教育者としての資質・能力を向上させる大切な要素になるとした上で「論文の根底にはその人らしさが流れている」とし、あらためて自分らしさを見つめ直す必要性を説いた。
今後、作成した論文は担当校長が中心となり、きめ細かく分析した上で添削と講評を行い、論文構成や論点など、課題解決に向けた視点や方策などがより明確になるようアドバイスを送る。
自校校長の指導も含め、複数回の論文作成に取り組むことで、学校経営を担う職責や課題解決の具体策等をより明確にしていく。
9月には面接対応を実施する。質問に対する受け答えや、論文で書き記した内容・教育課題解決に向けた方策などを整理した上で、自身の教育理念を示すことができるよう、教頭のスキルアップにつなげていく。
後継者育成研修プロジェクトを担当する同会研修部長の土居慎也校長(鶴野小)は「教頭の資質・能力や職能意識の向上を図るとともに、学校課題解決に向けたスキルアップにつながる研修にしていきたい」と話した。
会長の小玉校長(幣舞中)は「職能意識を高め、直面する教育課題と向き合い、解決していくために、常に自分自身を磨いていってほしい」とこれからの学校経営を担う人材に期待を込め、エールを送った。
(関係団体 2024-06-10付)
その他の記事( 関係団体)
道高P連が6年度総会 村井会長を再任 札幌と帯広でICT会議等
道高校PTA連合会は8日、北見市民会館で6年度総会を開催した。本年度事業計画では、青少年安全・安心ネットづくり促進協議会と連携して健全育成事業を行うことなどを確認。役員改選では、村井為敦会...(2024-06-12) 全て読む
高・特配置計画案に道高教組と道教組 子らの意見尊重し柔軟に検討して 道独自の20人学級導入を
道高教組(尾張聡中央執行委員長)と道教組(中村哲也執行委員長)は10日、道教委が示した公立高校配置計画案および公立特別支援学校配置計画案に対する声明を発表した。道教委「これからの高校づくり...(2024-06-12) 全て読む
道性研 第1回理事会 11月22日に釧路大会 7年度は札幌で全国大会も
道性教育研究会(道性研、佐野友美会長)は8日、札幌市立柏中学校で本年度第1回理事会を開催した。11月に釧路市内で第52回道性教育研究大会釧路大会、7年度に札幌市内で第53回全国性教育研究大...(2024-06-12) 全て読む
道P連第77回総会 10月19、20日千歳大会 役員改選で後藤会長再任
道PTA連合会(後藤一樹会長)は8日、ホテルポールスター札幌で第77回総会を開いた。10月19日から2日間、第71回日本PTA北海道ブロック研究大会石狩管内・千歳大会を開催することなどを盛...(2024-06-12) 全て読む
道高校水産教育研究会が研究大会 海、船、魚 最大限利用を STEAM教育やICT等提言
【函館発】道高校水産教育研究会(会長・亀山喜明小樽水産高校長)は4日、北斗市七重浜住民センターれいんぼーで6年度水産教育研究大会を開いた。小樽水産高校、函館水産高校、厚岸翔洋高校の3校から...(2024-06-11) 全て読む
道租税教育推進協 6年度総会 会長に河村氏 道中会長 副教材作成等、電子化検討
道租税教育推進協議会(道租推協)は5日、札幌第2合同庁舎で6年度総会を開催した。租税教育用副教材の作成・配布、電子化の検討などを盛り込んだ事業計画などを承認。役員改選では、道中学校長会会長...(2024-06-10) 全て読む
第77回道高校ビジネス計算競技大会 培った集中力 存分に 珠算・札東商、電卓・旭商制す
第77回道高校ビジネス計算競技大会兼第71回全国高校ビジネス計算競技大会北海道予選が5月31日、ホテルライフォート札幌で開かれた。道内7校から44人が出場。日頃の練習で培った集中力と計算能...(2024-06-06) 全て読む
道特長などが文教施策要望 施設設備 計画的な修繕を スクールバスの確保方策も
道特別支援学校長会(四木定宏会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(近藤嘉清会長)、道公立学校事務長会(鈴木貴之会長)は5月27日、道教委に対して「7年度北海道文教施策に関する要望書」を提出...(2024-06-06) 全て読む
胆振教頭会 6年度総会 会長に佐々木氏 伊達西小 やりがい持てる環境づくりへ
【室蘭発】胆振管内教頭会は4月中旬、室蘭市内のむろらん広域センタービルで6年度総会を開いた。役員改選では、新会長に伊達市立伊達西小学校の佐々木淳教頭を選出した。佐々木新会長は「教職員一人ひ...(2024-06-06) 全て読む
北私幼 6年度事業計画 安定した経営基盤確立 人材確保対応へ特別委員会
道私立幼稚園協会(北私幼)の6年度事業計画がまとまった。安定した経営基盤を確立し、質の高い幼児期の教育・保育の向上、教職員の安定的な雇用、安心して働くことのできる環境づくりに努める。教職員...(2024-06-05) 全て読む