札幌市教委 研究開発事業の研究課題 いじめ防止等5課題に 各課題の研究推進校決定へ(札幌市 2024-06-11付)
札幌市教委は、6年度札幌市研究開発事業の研究課題を決定した。五つの研究課題を設定。小学校における専科指導、算数学び「beyond」プロジェクト事業、いじめの防止等に向けた取組などについて研究を進める。今後、各課題の研究推進校を決定し、具体的な取組に着手する予定だ。
事業は「札幌市学校教育」で示している施策や教育内容について、学校および教職員、有識者と共に実践的研究を行い、研究成果や検証結果などを普及・啓発するもの。市内の学校教育の改善・充実に資することを目的としている。
6年度は、札幌市学校教育における重点などを踏まえ①「学ぶ力」の育成の推進②小学校における専科指導の推進③算数学び「beyond」プロジェクト事業の推進④いじめの防止等に向けた取組の推進⑤子どもの困りや悩みを早期発見する取組の推進―の五つの研究課題を設定した。
「学ぶ力」の育成の推進では、研究推進校に2校程度を指定。課題探究的な学習を取り入れた授業づくり、ICTの効果的な活用などについて研究を進める。
小学校における専科指導の推進では、2校程度を研究推進校とし、理科・体育の専科指導における効果的な在り方を検討する。
算数学び「beyond」プロジェクト事業の推進では、実践研究を通して本年度から始まった同事業の充実を図る。研究推進校は小学校3校程度とする。
いじめの防止等に向けた取組の推進は、市内各校の教職員らで構成する実践研究会形式で行う。いじめる側や傍観者の心理を通していじめについて考えるなど、体験的な教育支援プログラムの作成などに取り組む。
子どもの困りや悩みを早期発見する取組の推進では、心の健康観察アプリの活用に関する実践研究に取り組む。研究推進校は小学校3校、中学校1校程度を指定する。
研究成果や検証結果等は、市ホームページや校務支援システムへの掲載、研究集録等の発行・配布、研究推進校独自の研究発表会開催などを通して、全市への普及・啓発を図る。
6年度札幌市研究開発事業における各研究課題の詳細はつぎのとおり。
▼「学ぶ力」の育成の推進
▽研究テーマ=課題探究的な学習を通して「学ぶ力」の育成を推進する実践研究
▽研究内容・研究の視点等
他者との協働を通して相互承認の感度を磨き、子ども一人ひとりの主体性を大切にした多様な学びの実現を目指す観点から、つぎの2点を共通の基盤とした実践研究を行う。
①AARサイクルの視点から捉え直した「課題探究的な学習」を取り入れた授業づくり
②学びの質を高めるためのICTの効果的な活用
▽成果の普及等
研究の成果は、教育課程研究協議会、「学ぶ力」の育成説明会などで全市に啓発する。
▼小学校における専科指導の推進
▽研究テーマ=小学校における専科指導(理科・体育)についての実践的研究
▽研究内容・研究の視点等
個に応じたきめ細かな指導と中学校の学びにつながる系統的な指導の充実を図る観点から、つぎの2点を共通の基盤とした実践を通じて、小学校における専科指導の効果的な推進の在り方を検討する。
①専科指導のマネジメント上の工夫
②専科指導の学習指導・生徒指導上の工夫と効果検証
▽成果の普及等
研究のまとめとして、他校の参考に資するような、実施計画や校内体制、教育効果等について分かる資料を作成する。
▼算数学び「beyond」プロジェクト事業の推進
▽研究テーマ=算数科における子ども一人ひとりの主体性を大切にした多様な学びの実現に向けた実践研究
▽研究内容・研究の視点等
①算数科におけるAARサイクルの視点で捉え直した課題探究的な学習の推進
②算数科における学びの質を高めるICTの効果的な活用
―の2点のいずれか、または両方について実践研究を行う。特に個別探究や協働探究の場面において、子どもが端末を自ら活用する機会の充実を図る。
▽成果の普及等
研究推進校は、授業を公開するなど、自校の取組の発表の機会を設けるとともに、研究のまとめとして指導展開例やイントロスライド、ICTの効果的な活用事例等のいずれかを作成する。
▼いじめの防止等に向けた取組の推進
▽研究テーマ=いじめの未然防止について、体験を通した実践的な学びや心理や法の視点を取り入れた実践研究
▽研究内容・研究の視点等
①発達の段階を考慮した、関連する教科等における指導方法に関する実践研究(授業公開を含む)
②いじめる側や傍観者の心理を、体験しながら学ぶなどの教育支援プログラムの作成
③スクールカウンセラーや弁護士など、専門家の知見を取り入れた実践研究
▽成果の普及等
研究推進委員は、授業を公開するなど、研究の成果を全市に啓発する。
▼子どもの困りや悩みを早期発見する取組の推進
▽研究テーマ=「心の健康観察」アプリを活用し、子どもの心や体の変化に気付き、困りや悩みを早期発見し対応することについての実践研究
▽研究内容・研究の視点等
①子どもの日々の心や体の変化について複数の教職員で把握するための組織体制や、早期発見し適切な対応につなげることに関する実践研究
②いじめに関するアンケートを実施し、その結果の分析方法や、アンケートの結果をもとにしたいじめの解消に向けた研究
▽成果の普及等
研究の成果は「心の健康観察」アプリの活用に係る研修会などで全市に啓発する。
(札幌市 2024-06-11付)
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