北見緑陵高 総合的な探究の時間 テーマを具体化、明確化 外部講師招き授業、校内研修
(学校 2024-06-21付)

北見緑陵高総合的な探究
北見緑陵高総合的な探究

 【網走発】北見緑陵高校(田原勇人校長)は17日、同校で北海道大学大学院地球環境科学研究院の山中康裕教授を招いて授業、校内研修を行った。2年、3年の総合的な探究の時間で生徒が山中教授から助言を受け、本年度探究活動のテーマを具体化・明確化するなど質を高めた。校内研修では、教員がより適切な指導に向け、山中教授の講演を聴講した。

 道教委のS―TEAM教育推進事業「STEAM」推進プロジェクト外部連携支援事業(学校活用型)を活用して実施した。

 生徒が立てた探究活動の見通しに対し、講師から助言を得ることで、自らが立てた問いや課題を見直し、その質や精度を高めることがねらい。

 また、教員が探究活動における教員の役割や外部の教育資源の活用事例を学ぶことで、生徒の主体性を生かした学習と、教師の適切な指導との調和が取れた探究活動を実現することを目指した。

 この日の総合的な探究の時間で、2年は、各グループが設定した探究テーマを踏まえ、今後の進め方をまとめた計画に対し、講師から助言を得て、問いや課題の質を向上させるとともに、探究のプロセスの工夫改善を図った。

 3年は、前年度の探究活動の成果と課題を踏まえ、本年度新たに設定する探究テーマについて、グループごとに講師から助言を受けた。

 このうち、2年の授業では、まず山中教授が総合的な探究の時間の意義に触れ、課題意識を持って自分で考え、自分の意見を持ち、それを表明すること、広い視野で学ぶことの重要性を説いた。

 授業では、各グループが探究テーマやその決定に至った経緯、これからの進め方をそれぞれ発表。その内容について、担当教員や山中教授が質問、講評などしてテーマや進め方の具体化・明確化につなげた。

 あるグループは、防災グッズに対する認識や所有率が低いことに着目し「防災グッズの重要性について」とテーマを設定し、生徒へのアンケートをもとに防災グッズを考案することを発表した。

 山中教授は「防災グッズは、一般的に年長の男性が考えているため、女性や子どものためのものが少ない」とヒントを提供。必要とされる防災グッズの内容について、校内のみでアンケート調査した場合、一般的に考えられるグッズしか挙げられない可能性もあることから、この分野で知見のある専門家を紹介するとした。

 授業の最後で、山中教授は生徒たちに対し「様々な社会課題で影響を受けるのは皆さんの世代。皆さんの世代でできなくても、こうしていきたいということを考えてほしい」とし、総合的な探究の時間が社会について考えるシミュレーションでもあることを示した。

 また「苦しいことをなくしたら、楽しくなるだろうか、幸せになれるだろうか」と問いかけ「楽しいことを見つけていってほしい。そうすることで、人の心から苦しいと思うことが消えていく。楽しいこと、世の中が少しでも良くなることを見つけていってほしい」と呼びかけた。

 授業後、校内研修を行い、山中教授が生徒の取組状況に応じた教師の適切な指導や外部人材の活用の事例などについて講演した。

(学校 2024-06-21付)

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