森高 元プロ・吉田氏が町民と環境整備 野球を通じ高校活性化 部活動復活へ放課後等に指導(学校 2024-06-25付)
森高校野球部を通じた高校活性化の取組
【函館発】生徒数の減少によって、部活動の維持が困難となっている森高校(佐紺摂子校長)は、地域おこし協力隊の協力のもと、野球を通じた高校の活性化に取り組んでいる。廃部となっていた野球部の復活を目指し、元プロ野球選手の吉田雄人さんが町民と共に環境づくりに奔走。選択授業や放課後に指導に当たり、高校生に野球の楽しさを伝えている。
「野球しようぜ!」。20日、同校のグラウンドに集まった生徒らに吉田さんが声をかけ、キャッチボールの練習が始まった。当初集まったのは5人。生徒は吉田さんから遠投、近投のこつを教わったあと、硬式と軟式のボールで一人ずつバッティング練習に挑戦した。その後見学に訪れる生徒が徐々に増え、開始から1時間後には9人になった。中には野球経験がない女子生徒2人の姿も。そのうちの一人、松居徠夢さん(1年)は「校内の掲示板に貼ってあったポスターを見て参加した。野球観戦が好きなので初めてやってみたけれど楽しい」と笑顔を見せた。
同校の野球部は平成29年度の全国高校野球選手権大会南北海道大会函館支部予選で松前・長万部・大野農業・福島商業との連合チームで出場したのを最後に、部員数の減少で休部。令和3年度の生徒会で廃部が決定した。現在、同校に設置している運動部は総合運動部のみで、チームスポーツの練習はできない状況となっている。
ことし4月に森町地域おこし協力隊員に就任した吉田さんはプロ野球・オリックスの元外野手。同時期に着任した脇澤潤一教頭も、かつて函館稜北高校の野球部監督として、生徒を全道大会へ導いた経験がある。2人の「野球を通じて高校を盛り上げたい」という思いが一致し、この日初めて「放課後部活動交流会」が実現した。
練習には、地域で特産品のオンライン販売事業を経営する㈱商舎の山本康伸社長と同校の教職員も協力。前日には体育の選択科目で吉田さんが来校し、野球の楽しさを伝える授業も導入した。7月には使用していなかったグラウンドを地域の建設企業がボランティアで整備するなど地域を挙げて部活動の復活を応援する。
ことしは生徒の要望を踏まえ、降雪前まで定期的に練習回数を設けるとともに、活動の人数を増やすことが目標だ。吉田さんは「幼少期を過ごした町で野球を通して町おこしをしたい」と話す。脇澤教頭は「生徒主体の活動として進めていきたい。生徒数が減少する中、スポーツを通じて高校の活性化につながれば」と目を細める。
(学校 2024-06-25付)
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