道教大附属旭川小 研究大会 問い見いだし解答模索
(学校 2024-06-21付)

道教育大附属旭川小学校で研究大会
道教育大附属旭川小学校で研究大会

 【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(笠原究校長)は14日、同校で研究大会を開催した。研究主題「新たな価値を創り出す子供を育てる教育活動の創造~自ら学習を調整する子どもを育てる、各教科・領域の学習づくり」のもと、6授業を公開。児童たちが自ら問いを見いだし、解答を模索する授業を通して、学びの面白さや自己有用感を育む様子を紹介した。

 同校は、5年度に研究主題を更新。令和元年度から4年度までの研究「探究する子供を育てる教育活動の創造」で取り組んだ“探究型の学びの推進”が、自ら問いを見いだす力や問題解決に向けて自ら探究する力を身に付けることなどに効果的だった。

 それらの成果を踏まえ、5年度から「自ら問いを見出し、その解決策を模索することを通して、探究し続けることの価値を見出す姿」を目指した3ヵ年研究に取り組んでいる。

 本年度は、3ヵ年研究の2年次。研究の実践期として、主な研究内容に「自ら学習を調整する子供を育てるための各教科・領域における支援の手立て」を設定した。

 また“自ら学習を調整する子ども”の特徴として①問題解決に対する意欲を持つ②自分の「めあて」を設定する③自己の学習活動の進め方、時間配分などを調整・決定する④学ぶ面白さや楽しさ、有能感、自己有用感、充実感を自覚する―の4点を掲げ、学習意欲を刺激したり、学びの楽しさ等を感じることができる振り返りをしたりするなどの様々な手だてを実施している。

 当日は、2年2組の道徳科、4年2組の国語科、5年2組の社会科、1年1組の生活科、3年2組の外国語、5年1組の算数科の授業を公開。参加した教職員190人は、それぞれが担当する教科の授業を参観した。

◆5年社会など公開 仮説をもとに学習

 うち5年2組(佐藤正志教諭、児童数33人)の社会科「水産業のさかんな地域」〓写真〓では“自ら学習を調整する子ども”の特徴②の観点から、前時で設定した学習問題に対して仮説を立て、仮説をもとに学習計画を立てる授業を行った。

 佐藤教諭は、前時で設定した学習問題「なぜ、私たちは新鮮な水産物を食べることができるのか?」に対して、漁師や運送業者の立場から仮説を立てるよう指導。

 児童たちは、タブレットを使ったり、前の単元の授業で使用した資料を参考にしたりしながら「コメも冬には収穫しないと習ったから、魚も旬な時期に一気に取っている」「運送中に動かないように緩衝材を入れている」など、既習の内容と結び付けた仮説を立てた。

 続いて、仮説をもとに学習計画を立てるよう指導。タブレットの共有ノート機能で各児童の仮説を共有し、4、5人の班で意見交流したり、同じ班の人の仮説からトップ3を選んで参考にしたりしながら学習計画を作成した。

 授業後は、参加者らと佐藤教諭で研究協議を実施した。

 参加者は「同じ班の人の仮説からトップ3を選ぶ際の基準はあるのか?」と質問。佐藤教諭は、他者の仮説を参考に質の高い仮説を立てることが目的なことを前置きした上で「資料のデータや既習内容を絡めた根拠を明示しているものを選ぶように指導している」などと回答した。

(学校 2024-06-21付)

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