道研 保護者連携で研修講座 対話によるゴールを 別府大・佐藤教授招き演習
(道・道教委 2024-06-26付)

道研、保護者対応研修
道研、保護者対応研修

 道立教育研究所は20日、教職員研修講座「保護者との連携の在り方~保護者対応に係るロールプレイ演習」の集合型研修を実施した。ナラティブコミュニケーション教育研究所長で別府大学の佐藤敬子客員教授が「保護者理解に基づく良好な関係づくり」をテーマに講義。教師と保護者が目指すゴールが同じであることを強調し、安心や承認などの欲求を満たした上で対話によるゴールを目指すことの大切さを説いた。

 近年、学校現場における重要な課題の一つに、保護者対応や良好なコミュニケーションの在り方が挙げられる。道研では「保護者との日常的な良好な関係や、適切な理解の一助になれば」と、前年度に続いて研修講座を開講した。

 本年度は、対象を全校種に拡大。道内小・中・高校・特別支援学校の教員31人が参加した。

 佐藤教授は、教師の業務の多様化や広範さ、保護者を取り巻く社会的背景の変化を説明しながら「教師、保護者の立場は違えど、社会的自立や自己実現など、願うゴールは同じ」と強調。保護者自身が抱える不安として「身近な相談相手がいない」「経済的・精神的な悩みを抱えている」「子どもとの適切な距離の取り方が分からない」などを挙げた。

 その上で、保護者を「“一緒に”のスタンスで勇気づけることが大切」と説き、①安心②挑戦③承認④つながり―の四つの行動欲求を満たすことが教師の役割と位置付けた。一方で、保護者対応を「教師一人で抱えることではない」と強調。日常的なコミュニケーション、心理的安全性の確保、ねぎらいなどを重ねて「対応をアップデートする必要がある」と呼びかけた。

 世代や経験、価値観の違う相手に対応するため「価値観や能力、解釈を決め付けたり、押し付けたりしてはいけない」と述べ、対話によるゴールを目指すことの大切さを説いた。

 このあと、参加者はグループに分かれて演習。雑談から入る関係性構築、相手の要望を引き出す質問の方法、自発的に考え行動させるための気付きと学びのサイクルを回すコーチング「GRROWモデル」などを学んだ。

 受講者は、11月29日の遠隔型研修まで、各学校において職場実践に取り組む。

(道・道教委 2024-06-26付)

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