日高振興局 高校生応援PJ始動 SDGsへの行動探究 職員が年間通し授業実施
(道・道教委 2024-06-28付)

 【苫小牧発】日高振興局は25日、6年度「ナナイロひだか高校生応援プロジェクト」をスタートした。振興局職員らが年間を通し静内高校でSDGsをテーマとした授業を行い、最終的に生徒が地域で自分事として行動できるアクションを発表。生徒のアイデアを次年度の振興局の施策に取り入れる計画だ。

 同振興局では、高校生の郷土愛を育み、進学で町を離れてもまた地元に戻り活躍したいと感じてもらえるような人材の育成・還流を目指し、前年度からプロジェクトをスタートさせた。

 初年度は静内高の生徒8人が、地域おこし協力隊2人、日高振興局・日高教育局の若手職員各2人と共に「日高山脈襟裳国定公園の国立公園化を契機とした日高管内への誘客」をテーマに4回のワークショップを実施。提案をまとめ、振興局長や教育局長らにプレゼンテーションを行った。

 本年度は静内高2年生18人を対象に、総合的な探究の時間(年間20時間)の中でSDGsをテーマに振興局職員らが授業を実施。生徒が興味を持ったSDGsのゴールを深掘りし、最終的に地域で自分事として行動できる具体的なアクションを発表する。生徒のアイデアを次年度の施策に取り入れることとした。

 初回となるこの日は生徒15人、振興局からは地域政策課の井溪雅晴課長ら3人が参加。井溪課長があいさつに立ち「日高地域の人口は令和元年度から5000人減少するなど、人手不足が深刻な課題」など地域の実態や課題を説明し「若い人の意見を施策に反映させたい。皆さんが出してくれた意見は振興局、道の事業に取り入れていく」などと述べた。

 また本年度のテーマであるSDGsについて説明し「まずはSDGsを理解し、自分たちの問題として考えられること。そして自分事として行動できるようになってほしい」「その後、それぞれが取り組むゴールを決め、どう行動するかアイデアを発表してほしい」と述べ、こうした行動を通し日高地域全体にSDGsの普及・浸透が図られることを期待した。

 このあとワークショップデザインdescribe withの高橋優介代表がSDGsの成り立ちや目指すゴールなどを詳しく説明。生徒はSDGsを体感できるカードゲームを通して、どうすれば17のゴールを達成できるか、バランス良く施策を行わないと経済、環境、社会のどこかにひずみが生じることなどを理解した。

 2回目以降は、2人一組で追究したいSGDsのゴールを決め、自分事としてできる行動を考えていく。

 この日を含め全12回を予定しており、そのうち5回は振興局職員が同校を訪問し授業を行う。また進捗状況によっては来校を増やしたり、オンラインで質疑をしたりといったことも考えている。

 最終回は12月12日を予定している。

(道・道教委 2024-06-28付)

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