STEP「パーソナルクリニック」　端末一つで英語授業改善　クラウド活用し継続支援　上川局独自

（道・道教委 2024-07-01付）

上川教育局独自事業ＳＴＥＰ二次元コード

　【旭川発】上川教育局は本年度、クラウド上にアップした授業動画を参考に遠隔で指導助言を行う「クラウド授業パーソナルクリニック」を導入した。管内児童生徒の英語力向上に向けた独自事業「STEP」の一環で、タブレットが一つあれば時間や場所を問わずSTEPチームからのアドバイスを受けることが可能。豊富な経験と高い専門性を有する教員らが日々の授業をフィードバックし、授業改善に向けて継続的にフォローする。望月俊綱教育支援課長は「新しい形の研修スタイルなので、上川での実践がモデルになれば」と期待する。

　同事業は、管内公立小・中学校および義務教育学校の英語担当教員の指導力向上を通して、児童生徒の英語力向上を図るため５年度から開始。６年度から事業内容を一新し、ICTを活用して遠隔で指導助言を行う体制を構築した。

　具体的には、アプリに投稿した日々の授業動画に対し、管内英語教育推進チームがコメント機能で指導内容を入力する「クラウド授業パーソナルクリニック」を導入。写真や動画を共有できる無料アプリ・パドレットを活用し、授業動画のほか、ワークシートや指導案の写真から作成方法なども指導する。

　管内英語教育推進チーム（通称STEPチーム）のメンバーは、北部・中部・南部・旭川の４エリアから選出した英語教員７人と義務教育指導班の久保田竜平指導主事で構成。道教委の英語に係る指定事業の推進教員や文部科学省・道教委の研修に参加したことのある教員で、先進的な知見から指導を行う。

　クラウド授業パーソナルクリニックは１０月末まで実施する予定。

　事業の一環として、２６日に演習型の集合研修「サマーキャンプ」、来年１月１４日にオンライン研修「ウインターキャンプ」をそれぞれ上川合同庁舎で開催し、多様な教員のニーズに応じた研修機会を提供する。クラウド授業パーソナルクリニックでの好事例を紹介するほか、授業演習を通して英語教員の資質・能力の育成を図る。

　事業を進める久保田指導主事は、指導のメインターゲットを若手教員にしていることを話した上で「初めての授業で分からないことばかりだと思う。そういった困り感に寄り添った指導をしていきたい」と意気込みを語った。

　同事業の案内は各学校に紙で配布しているが、２次元バーコードから会員登録すると、各種研修会の案内や自己研鑚につながる資料等がメールでもらえる。登録期限は設けていない。

(道・道教委 2024-07-01付)