【解説】プール管理の負担軽減を
(解説 2024-07-16付)

 文部科学省は、学校プールの管理業務の見直しを検討するよう、全国の都道府県・指定都市教委に呼びかけている。プール管理を担当する教員が給水の休止を忘れ、校長や当該教員が水道料金を賠償する事例が多発していることを踏まえた対応で、指定管理者制度の活用などの負担軽減策を講じるよう求めている。

 学校のプール管理は「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」として位置付けられているが、多くの学校で教員が管理を担当している現状にある。設備の老朽化も進み自動給水停止機能を備えている学校も多くはない。

 文科省は、学校設置者による必要な支援・チェック体制の構築が不十分なまま、特定の教員が学校のプールの管理を行っている状況は望ましくないとし、指定管理者制度の活用や民間企業への委託などを検討するよう求めた。

 また、学校が引き続きプールの管理を行う場合であっても、管理員の配置、自動給水停止システムの導入、複層的なチェック体制の構築、マニュアルの作成など、特定の教員に任せきることのない環境を整備するよう呼びかけている。

 学校プールの管理・運営の指定管理者制度は愛知県一宮市や滋賀県甲賀市が先行して導入。他の通年開業施設と一括して管理したり、別棟として市民向けに開放しているが、条例の制定などハードルも多い。

 体育授業における水泳指導を学校のプールではなく公営・民営プールを活用して行う学校も増加しており、文科省は対策の一つと捉えている。道内では恵庭市が4年度から水泳授業の民間委託を試行し、5年度から本格化。学校現場の負担軽減のみならず、プロ指導者とのグループ指導による授業力向上、財政面の削減効果など様々なメリットへとつなげている。

(解説 2024-07-16付)

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