【解説】SNS利用の国際比較(解説 2024-07-23付)
日米中韓4ヵ国における高校生によるSNSの利用状況を比較・調査した結果、SNSへの依存は共通している一方、トラブルや誹謗中傷の発生状況は各国で差が見られたことが国立青少年教育振興機構の「高校生のSNS利用に関する調査報告書」で分かった。
調査は4ヵ国の111校、約1万5000人を対象に実施。調査時点は5年9月~6年1月。
SNSの利用率は日本が95・8%、米国が96・6%、中国が90・1%、韓国が99・9%。平日1日当たりの利用時間は米国が最も多く、日本では休日に5時間以上使用する高校生の割合が27・2%と米国に次いで高い。
日本の高校生は「ゲーム・音楽などの娯楽」「趣味・興味のある話題に関する情報収集」「リアルな友達や知り合いとのコミュニケーション」「推し活(アイドル、俳優、キャラクターなどを応援する活動)」を目的とする割合が他の4ヵ国より高い。SNSの影響として「趣味や興味が増えた」「お金を使うことが増えた」が大きい一方、「学習に対する意欲が高まった」「時間を管理する能力が高くなった」との回答が最も低いのも特徴となっている。
トラブル被害の発生状況をみると「個人情報の漏えい」「架空請求」「アカウント乗っ取られ」の経験がいずれも9%未満、「悪口・嫌がらせ」が4・3%と4ヵ国で最も低かった。
筑波大学人間系心理学域准教授の藤桂氏は、コミュニケーションに積極的な一方でトラブル被害の発生率が高い米国や、家庭や学校で自由に機器を利用できるものの孤独・怒りといった心理的な影響を受けやすい韓国などの特徴を分析。日本は最も被害経験が少ない反面、被害時は「無視する」対処を取りやすいことで事態がエスカレートする危険性が少ないと指摘する。
(解説 2024-07-23付)
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