【解説】教職員4051人が未配置
(解説 2024-07-22付)

 全日本教職員組合は18日、教職員未配置の実態調査結果(5月1日時点)を公表した。37都道府県10政令市において4051人の教職員(教員は4037人)が未配置となっており、定年延長で退職者がいない年度となった一方、教職員の未配置が前年度と比べ増加している。

 教職員未配置への対応で最も多かったのは「非常勤職員等で対応」が72・7%。非常勤職員で対応できたとしても、校務分掌をはじめとする授業以外の業務が他教職員の負担となり、長時間過密労働に拍車をかけていると指摘する。

 また、管理職が学級担任をもったり、少人数指導の教員を学級担任に充てたりすることで少人数学級を見送っている学校もある。

 前年度の調査結果(24都道府県5政令市を抜粋)と比較した結果、教職員未配置の総数は約1・35倍に増加。うち小学校が約1・14倍、中学校が約1・44倍、高校が2・0倍、特別支援学校が1・69倍といずれも増加した。

 代替者の欠員は2・01倍、産休・育休代替の未配置が約2・46倍、病休代替の未配置が2・75倍とこちらも増加。代替者がいないため安心して休みに入れず、病気休職者や病休代替未配置の増加につながっている。未配置への対応として非常勤等での対応が増加し、非常勤講師の取り合いが起きていると分析する。

 これまで産休・育休代替教員の雇用調整弁として機能していた臨時的任用教員、非常勤講師が正規採用として吸収され、需給構造が変化している背景もあり、労働環境の再分析を行うよう提案。職場環境の改善に向け、人員体制の充実と少人数学級化によって1人当たりの業務量を削減し、心身・時間に余裕を持って子どもたちと関わるための教育予算の増額、教育条件の整備が必要とした。

(解説 2024-07-22付)

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