【解説】授業時数特例校制度 104校に
(解説 2024-07-12付)

 標準授業時数は学習指導要領で示す各教科等の内容を指導する時数を基礎とし、教育の機会確保や水準の確保に大きな役割を果たしている。一方、児童生徒や教師の負担などの問題点を指摘する声もある。

 このため3年1月の中教審答申「“令和の日本型学校教育”の構築を目指して」では、授業時数配分の一定の弾力化を可能にする新制度の創設を提言。これを受けて文部科学省は、小・中学校を対象とする「授業時数特例校制度」の指定を4年度から開始している。

 これは、教科等横断的な視点に立つ資質・能力の育成や探究的な学習活動の充実に向けた特別の教育課程の編成を認めるもので、1割を上限に各教科等の標準授業時数を下回って教育課程を編成し、別の教科等の授業時数に上乗せする。

 これによって、伝統的な文化教育の充実のため音楽の授業時数を増加したり、探究的な学習活動のため総合的な学習の時間の授業時数を増加したりするなど、学校・教育の実態に照らした教育が可能になる。

 特例校では、学習指導要領の内容が適切に取り扱われていることや、保護者・地域に特別の教育課程の内容を説明し、学校ホームページで公表することなどの要件があり、文科省の調査を必要に応じて受けることも求められる。

 指定校数は徐々に増加しているものの、ことし4月現在で104校にとどまっており、制度が十分に広まっているとは言い難い状況にある。

 道内では唯一、小樽市立忍路中央小学校が4年度から指定を受けており、郷土・地域教育の充実に取り組んでいる。小学校3~6年生までの総合的な学習の時間を70コマから75コマへと増やし、忍路の遺跡や文化財を活用した探究的な学習活動の充実を図っている。

(解説 2024-07-12付)

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