【解説】過剰な教育課程 対策を
(解説 2024-07-19付)

 全国連合小学校長会(全連小、植村洋司会長)は今月上旬、文部科学省に小学校教育の充実に関する文教施策・予算要望を提出した。次期学習指導要領の改訂に当たっては、新しい時代に必要となる資質・能力を見極めた上で、教育内容が過剰となる「カリキュラム・オーバーロード」とならない対策を求めた。

 要望は例年この時期に行っているもので「教育費の増額措置」「教職員の確保・資質向上」など10項目を柱に構成。文科省、財務省、総務省の幹部に要望書を手渡し、人的・物的措置の一層の充実と教育諸条件の整備を求めた。

 わが国における義務教育の質向上に向け、公財政支出のGDP比における教育費の割合(3年時点で3・46%)をOECD諸国平均の5%まで引き上げるほか、中教審特別部会の提言に基づき教職調整額を10%以上まで引き上げるよう要望した。

 安定した学校運営を実現するため、副校長・教頭、主幹教諭、指導教諭の配置とともに、教諭・主幹教諭間で創設することが提案されている「新たな職」設置の条件整備を講じるよう求めた。

 実践力を備えた若手教員の育成を図るため、学部段階における奨学金返還の優遇措置、教員養成大学への推薦入学を可能とする高校における「教職コース」の設置、大学の教員養成課程と学校現場での育成を連携させたプログラムの充実を要望。 

 へき地・小規模校教育の教育の一層の充実に向けては、人的・物的条件の改善や5学級以下の小学校の教員配置率を改善するよう要望した。

 このほか、理科・音楽・体育・外国語などの専科教員の配置推進、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの全校配置、教職員のメンタルヘルス対策を盛り込んだ。

(解説 2024-07-19付)

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