【解説】教員確保改革へ意見多数(解説 2024-07-30付)
新たな職務級の創設は、若手教師へのサポートの充実とともに、専門性が発揮できる体制を構築して職務負荷に応じた給与体系を構築することがねらい。主幹教諭と指導教諭が制度化されて「特2級」が設けられることとなった平成19年以来の改革となる。
現在、小・中学校教育職の給料表の等級別基準は「校長(4級)」「副校長、教頭(3級)」「主幹教諭、指導教諭(特2級)」「教諭、養護教諭、栄養教諭(2級)」「講師、助教諭、養護助教諭(1級)」の5級制が一般的となっているが、校務運営の重要な役割を担う主任教諭制度を導入する東京都教委のように、独自に職務級を拡大する自治体も存在する。
特別部会が5月にまとめた審議のまとめに対しては、全国から1万8354件の意見が寄せられた。これは文部科学省によるパブリックコメントでは異例の件数であり、国民の関心の高さがうかがえる。働き方改革の加速化、指導運営体制の充実、処遇改善の三つの柱を一体的に進めることを評価する声、より抜本的な改善を求める声、教育予算の充実を求める声など様々な意見が集まった。
これまで増やしてきた教科の効果を検証するなど、次期学習指導要領に向けて指導内容の精選を求める意見も。複雑なシラバスの作成、観点別評価、総合学習の簡素化、通知表の文章記述による所見の廃止、校内研修の弾力的な見直しを求める声があった。
教職員定数の改善に向けては、基礎定数の改善や授業時数削減のための小学校教科担任制の促進、外国にルーツを持つ児童生徒の増加への対応の必要性を指摘。部活動の指導が負担となっている多くの教員がいる一方、指導に前向きな教員もおり分断が生まれているとし、地域移行の財源や人材確保に向けた国の支援を求めた。
(解説 2024-07-30付)
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