【解説】5年度文部科学白書
(解説 2024-07-31付)

 文部科学省は5年度文部科学白書を公表した。特集では明治以来初の中央省庁移転となった「文化庁の京都移転」と、学校段階やその後の社会との接続も見据えたグローバル人材育成の政策パッケージ「せかい×まなびのプラン」を取り上げている。

 文化庁は5年3月に京都に移転。移転の経緯や文化庁の新たな体制の概要のほか、食文化・文化観光の推進による地方創生に向けた取組など、移転を契機とした文化振興の新たな展開を掲載。また、社会全体で文化財を次世代に継承する寄付促進事業「文化財サポーター」、個人・企業からの寄付促進・助成事業との連携による取組を紹介している。

 「せかい×まなびのプラン」は、G7教育大臣会合における「富山・金沢宣言」等をもとに①日本からの留学・人材交流②優秀な留学生や人材の受け入れ・定着③教育の国際化―を一体的に推進するもので、プランに基づく文科省の施策を取り上げている。

 国は日本の国際競争力向上のため令和15年までに日本人学生の海外派遣者数を現状の5倍以上となる50万人に増やす目標を示しており、高校・大学段階における留学機会の拡大に向けた奨学金の在り方や、留年・休学しない留学プログラムについて検討する予定となっている。

 このほか「6年能登半島地震への文部科学省の対応」をテーマに被災地の学びを確保する取組を紹介。また、スポーツ環境の整備、学生のメンタルケア、文化財被害への対応、研究機関への支援などの取組を掲載した。

 コラムでは、本年度から文科省に設置した「日本語教育課」や、視線入力装置や軟骨電動イヤホンといった特別支援教育で活用できる教育支援機器を紹介している。

(解説 2024-07-31付)

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