【解説】ＤＸハイスクール　拡大を

（解説 2024-08-07付）

　全国知事会は１日、高校段階のデジタル人材育成の抜本的強化に向けた提言をまとめた。本年度からスタートした高校ＤＸ加速化推進事業（ＤＸハイスクール）の継続・拡大や、高校の１人１台端末整備に向けた財政支援などの施策を国で講じるよう求める。

　高校ＤＸ加速化推進事業は、情報・数学などの教育を重視するカリキュラムの実施、ＩＣＴを活用した文理横断的・探究的な学びの強化などに取り組む高校に対し、１０００万円を上限に補助する国の新規事業。デジタル・理数分野への学部の再編整備が進む中、大学の進学者の増加や成長分野の担い手の確保を図るねらいがあり、６年度は道内から公立・私立を合わせて４０校が選定されている。

　全国知事会は、日本の将来を見据えてデジタル・理数人材育成に必要な環境を整備するとともに、外部専門人材の活用や大学との連携の推進などを通じて同事業を次年度も継続・拡大するよう提言。各地域の大学、企業などのデジタル分野の専門人材が教育活動を支え、地域における高校教育の底上げの実現につながるよう期待する。

　また、生徒が目的を持って各地方のデジタル等の成長分野の学部等に進学できるよう、国主導でデジタル分野の専門人材や大学、企業等との連携の促進を図るよう提言。デジタル人材として社会で活躍する好循環を構築するとともに、成果・ノウハウの横展開を求めた。

　前提となる１人１台端末の整備・更新やネットワーク環境の強化に向けては、地域間格差が生じないよう十分な財政支援措置を講じるほか、社会課題解決や次世代の研究領域の創出に生かす視点を養うため、文理横断的・探究的な学びを支援する教職員定数の改善など探究活動を支援する指導体制の充実を求めた。

(解説 2024-08-07付)