【解説】子５人に１人　ネット依存

（解説 2024-08-19付）

　国立成育医療研究センターが全国の小中学生、高校生とその保護者を対象に実施している「新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」によると、子どもの５人に１人はインターネット依存が強く疑われる状態に該当することが分かった。

　同センターは、令和２年から同調査を実施。今回は、５年秋に実施した最新の調査結果を含めた経時的な報告を公表した。２年度調査は小５・中２、３年度は小５～中学３、４年度は小５～高１、５年度は小５～高２を対象に実施した。

　調査結果をみると、４年度は全体の４８・３％、５年度は５１・３％の子どもがインターネットを過剰に使用している疑いがあることが分かった。また、４年度は全体の１７・２％、５年度は全体の１９・８％の子どもがインターネット依存が強く疑われる状態にあることが明らかになった。

　保護者が子どもを評価する「子どものメンタルヘルス」のうち、仲間関係、多動・不注意、情緒の問題、行為の問題を含む「総合的な困難さ」では、３年度に比べ４年度は改善が見られなかったが、５年度調査では全体平均値が減少。協調性や共感性などの子どもの「向社会性」についても、４年度調査では、小５～中３まで改善が見られ、５年度も改善傾向が続いた。

　一方で、子ども本人が自分を評価する「こころの状態」については、中等度以上の抑うつ症状が３年は１１・４％、４年と５年が１３・３％と、改善は見られなかった。

　同センターでは「コロナ禍をきっかけに始まった本調査によって、子どもたちの様々な状況や背景が明らかになりつつある。それぞれの課題に対して、必要かつ最適な対応を考え、実践していくことが求められている」と考察している。

(解説 2024-08-19付)