【解説】日本財団 eスポーツ支援へ手引
(解説 2024-08-22付)

 日本財団は、肢体不自由者のeスポーツを支援するための手引書と動画を作成し、特設サイトで公開した。障がいに応じた入力デバイスや操作方法の工夫、eスポーツ挑戦者のメッセージを掲載。障がいのある当事者、支援を行う作業療法士、家族向けに活用を呼びかけている。

 eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」の略。格闘ゲーム、レースゲーム、パズルゲームなど様々なジャンルがあり、近年急速に普及している。娯楽・コミュニケーションとしての側面のみならず、自己表現や社会参加の促進、孤立を防ぐ効果のほか、日々コンピューターと接することで自然にICTスキルが身に付くメリットもある。VRやAIなどの技術でその在り方も大きく変化する可能性も指摘されている。

 物理的制約の少なさや誰もが平等に競い合うことができるその特性から障がい者の参加も増えている一方、個々の障がいに応じた入力デバイスの適合や操作方法の工夫などの支援などの情報は広く知られていない現状にある。

 このため資料では障がい者の身体機能に合わせた入力デバイスやコントローラーの操作方法を高める具体的な方法を紹介。視線入力デバイス、大型ボタンのコントローラー、呼気や音声に反応する非接触型スイッチなどの各種用具や、eスポーツの支援者の具体的な流れと留意点、体に負担をかけない姿勢・プレー環境も取り上げている。

 様々な可能性をもたらすeスポーツの参加には、障がい者のデジタルデバイド(情報格差)、ゲームメーカーの理解、適切な環境提供など様々な課題がある。日本財団はこれらの課題を一つ一つクリアするため、支援者、障がい者、ゲームメーカー、社会全体が協力して取り組むことが重要としている。

(解説 2024-08-22付)

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