校長会長インタビュー 第11回 留萌管内小中学校長会会長 亀田 寛人氏 「変革」の風を巻き起こす気概をもって(関係団体 2024-07-22付)
亀田会長
―会長就任に当たっての抱負
留萌管内小中学校長会はことし、設立50周年を迎えた。このような歴史と伝統のある本会の会長という任を仰せつかり、その役割と責任の重さに身の引き締まる思いである。
校長の職務は法的思考を基盤に、学校の目指す姿を明確に定め、その達成に向け教職員の力量を組織的に高めることである。各校長が自信を持ってその力を発揮できるよう、支援機能を果たすのが校長会の役割だと考える。
―管内学校教育の特色
過疎化・少子化が進行し、管内の多くの学校でその規模が縮小傾向にあるが、各学校では熱心な教職員が一体となって教育活動を推進するとともに常に変化を求め、創意あふれる教育活動を展開しようと努力していることは会長として誇りに感じているところである。とりわけ近年はICTを活用した研修活動や他校種間連携などの積極的な取組は、留萌管内の大きな強みであると自負している。
―管内学校教育の課題と対応
管内の児童生徒の学力低下や不登校児童の増加、学校現場における慢性的な多忙化等、学校現場における課題は山積している。
「自立と創造」「共生と躍進」を2本柱とする「留萌教育のめざす姿」を実現していくためには、学校が変わること、学校を変えることをちゅうちょせず、考え、議論し、結論を出し実行する組織を確立していかなければならない。
加えて、本会の活性化と校長一人ひとりの職能向上を図ることによって管内教育の充実・発展に向けてこれまで以上に寄与していかなければならないと考えている。
8月に開催する教育研究協議会では、研究主題「持続可能な未来社会の創り手を育て、ウェルビーイングの向上を目指す学校づくり」に向け、全会員が持ち寄った実践レポートをもとに協議を深める。自校における課題解決につながる熱い論議を期待したい。
―学校組織の強化・活性化に向けた取組
前述のとおり、本度本会は設立50周年を迎え記念事業を予定している。ただこのままでは業務負担の増加が懸念された。そこでこの節目を契機とし、これまでの校長会業務をゼロベースで見直し、身の丈に合ったものとなるよう取組の精選を行った。
キーワードはICTを活用した業務のDX化である。クラウドの活用やオンライン会議の積極的な導入、メールシステムの一本化など、前年度から準備を進め、本年度から本格的に稼働している。
―信頼される学校づくり
教職員の非違行為や不祥事は、学校の信頼を大きく損なうことはこれまでの事例からも明らかである。
不祥事は、基本的に各学校、個人によるところが大きい面もあるが、本会として不祥事防止のための「共通認識」を持つ必要があると考える。そこで、校長に課せられた職責と果たすべき義務の重要性を再認識するため、管内で発生した事案だけではなく、新たに発生した事案や関係法令等を含め、校長会理事研修会等で具体的な発生事例をもとに、コンプライアンス意識の徹底を図り、管内全体で信頼される学校づくりを推進している。
―教職員の人材育成
留萌管内においてつぎの世代の人材育成は喫緊の課題と言える。これまで本会では管内各校におけるミドルリーダーの情報共有を進めてきたが、本年度は留萌教育局や管内教頭会と緊密に連携し、育成を図る研修会の機会を設定し、管内の総力を挙げて次世代のスクールリーダーを育成していきたい。
また、女性教員の働き方についても注視していく必要があると考えており、活躍できる体制整備や環境の構築に力を尽くしていきたい。
昭和62年東海大卒。苫前町立苫前中、留萌市立港南中、苫前町立苫前中に勤務。平成19年から小平町立鬼鹿中、幌延町立幌延中、留萌市立港南中、留萌中で教頭。平成27年校長採用となり、初山別村立初山別中、留萌市立北光中、剣淵町立剣淵中、羽幌町立羽幌中、増毛町立増毛中、令和6年度に現在の留萌市立留萌中へ。
昭和40年11月1日生まれ、58歳。苫前町出身。
(関係団体 2024-07-22付)
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