校長会長インタビュー 第15回 十勝小・中校長会会長 森 浩嘉氏 「前に踏み出す校長」として(関係団体 2024-07-26付)
―会長就任に当たっての抱負
十勝小・中校長会は、校長の職能向上と会員相互の連絡調整ならびに、十勝教育の振興を図ることを目的として活動している。本会には、昭和44年に設定された「校長の教育実践指標」があり、そこには「子供の成長の歴史に責任を負う」と記されている。
そのことを踏まえ、本年度は「前に踏み出す校長」をテーマに掲げ、管内90校の校長が子どもたちや教職員に責任を持つリーダーとして、確実に前に踏み出す校長の姿を見せることが重要だと考えている。
―管内教育の特色
「晩成社」に代表される開拓魂と進取の精神が十勝の教育会に脈々と流れ続けている。多くの民間教育団体や教科研究団体の活動が盛んであり、秋には、全ての教科サークルが一堂に会する合同研究会をはじめ、管内・全道規模の研究大会が毎年のように開催されている。
また、管内全町村に教育研究所が置かれ、地域の現状や課題を踏まえた教育研究や調査研究を推進している。さらに、70年以上の歴史がある十勝教育研究所では、町村教育研究所と一体となって取り組む共同研究や、先導的な実践を進める教員による協力員研究が推進されている。
これらは、十勝ならではの教育実践力を示すものである。
―信頼される学校づくりに向けて
管内ではここ数年、教員によるわいせつ事故、体罰、交通事故・違反など、学校教育の信頼を失う事案が複数発生している。本会としても、喫緊の重要課題と受け止め、帯広市校長会と連携して年2回の「不祥事防止対策強化月間」を設けるなど、コンプライアンスの徹底と教職員の不祥事防止を図っていく。
また、様々な危機に対するリスクマネジメントと併せて正確な情報の収集と管理にも努めていく。
そして、保護者・地域住民に対して、前に踏み出す校長の姿を示すことが、信頼される学校につながると考えている。
―教職員の人材育成に対する本校長会の対応
人材育成は十勝管内の大きな課題である。令和2年度から十勝教育局が中心となって「とかち小・中学校教職員人材育成基本方針」を作成し、その取組を進めているが、本会としても、教育局、教育委員会等との連携を図りながら、教職員の資質・能力の向上とミドルリーダーの育成に取り組んでいる。
特に、教頭候補者の計画的な人材育成は、管内教育の振興を図る上で避けては通れないことを一人ひとりの校長が自覚し、その役割を確実に果たしていかなければならない。これまでも開催してきた「とかち採用校長研修会」「とかちスクールリーダー育成セミナー」等においても、その内容の充実に努めていく。
―学校組織の強化・活性化に向けた取組
学校組織の強化・活性化は、学校改善に直結するものである。本会では、平成30年度から町村校長会を単位とした「学校改善プラン交流研修」を実施し、会員個々の資質向上と連携強化に努めるとともに、自校の学校改善に向けた組織の強化・活性化に取り組んでいる。令和5年度からは、学校改善プランに限定せず、グランドデザインや学校経営指導訪問の協議資料など、広い視野から学校改善、組織の活性化に向けた経営交流を進めている。
管内では、小中連携・小中一貫教育に取り組む町村が増えていることから、その切り口からも組織の活性化を図っていく必要がある。
―教育信条
一般教員の頃から「見つけ、褒め、励まし、伸ばす」ことを大切にしている。今の立場になってからは、このことを教職員との関係でも意識している。
子どもたちにとって「最大の教育環境は教員である」と考えることから、個々の教員に対しても「見つけ、褒め、励まし、伸ばす」ことを基本として、今後も人材育成に努めていく。
(関係団体 2024-07-26付)
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