校長会長インタビュー 第12回 宗谷校長会会長 塩原 悟氏 校長同士のつながりを大切に
(関係団体 2024-07-23付)

宗谷校長会・塩原会長
塩原悟氏

―会長就任に当たっての抱負

 本年度から宗谷校長会会長の任に就いている。6年度の宗谷校長会の運営方針は、つぎの3点である。

 ①校長としての使命を自覚し、自らの職能向上に努めると同時に、指導性を発揮し、教職員の研修活動の活性化を図り、保護者や地域の期待に応える学校経営の充実に努める。

 ②会員相互の理解と連携を深め、活動の活性化を図り、宗谷教育の充実・発展に努める。

 ③関係機関や団体との連携をさらに図りながら、教育諸課題の解決に当たるとともに、教育条件整備に努める。

 この方針のもと、宗谷教育局をはじめ各市町村教委のご指導をいただきながら、道小・中学校長会との連携を密にして宗谷校長会としての力を発揮していきたい。何よりも校長同士のつながりや学び合いを大切にして、共に高め合う校長会を目指したい。

―管内教育の特色、課題と対応

 6年度の宗谷管内の学校数は、小学校30校、中学校17校、小中併置校4校の51校である。このうち、児童生徒数が100人を超える学校は11校で残る40校は、小規模または極小規模校となっている。

 稚内市をはじめ管内各町村では、地域ぐるみの子育て運動が長きにわたって行われ、家庭・学校・地域のつながりの中で子どもたちを育てていこうとする地域連携が進められてきた。また、キャリア教育の観点で幼保小中高大の学校間連携を紡ぐ取組を進めてきた地域もある。最近では、小中一貫教育を目指し3市町で義務教育学校の開設に向けた準備が進められている。

 教職員の状況としては、多くの中堅教職員が管外に異動する実情があり、中堅層の薄さから次期管理職の担い手が不足している。そのため、本年度は、教頭、校長それぞれ5人が管外から赴任している状況である。

 管内の教育課題は、子どもたちの未来保障につながる学力保障である。現在、管内教育推進の重点である「子どもの未来保障~一人一人の子どもを主語にする宗谷の教育の実現」に向けて関係者の連携が図られている。管内学力保障プラン三つの柱「検証改善サイクルの確立」「授業改革の推進」「家庭・地域・学校間の連携の推進」において教育局、市町村教委、学校がそれぞれに取り組むこと、目標指標が示され、管内挙げての取組が推進されている。

―信頼される学校づくりに向けて

 信頼される学校づくりを推進していくためには、学校と家庭、地域との連携、そして幼保小中高等の学校間連携が不可欠である。管内の各学校では、先に記述した学力保障プラン「家庭・地域・学校間の連携の推進」をもとに幼保、小中、中高連携の推進、家庭での学習習慣、生活習慣の確立に向けたICI端末の積極的な活用、保護者、地域住民に対する児童生徒の学力および学力向上策の提示と学びの環境づくりへの協力依頼に取り組み、検証改善を図っているところである。

―学校組織の強化・活性化に向けた取組

 学校組織の強化・活性化を図るには、教職員の資質・能力向上が不可欠である。管内教育推進の重点には「教職員の資質・能力の向上」に向けた具体的な取組として「北海道における教員育成指標」を踏まえた教員の主体的な学びの推進、教員のICT活用指導力の向上、各地域や学校をけん引する教職員の計画的な育成が示され、各学校で取り組まれている。

 宗谷校長会としては、宗谷教育局と連携し、ミドルリーダーの育成、特に新しいかたちの学びの授業力向上推進事業研修を重視し、戦略的に人材育成に努めている。また、宗谷教育研修センターへの派遣校長を増員し、教職員の資質・能力向上に資する研修をより充実するように努めている。

―教職員の人材育成に対する校長会の対応

 管内教育を持続可能にしていくためには、教員の人材確保と次期管理職となる担い手の確保は不可欠である。最近の傾向として5年から7年までの3年間に役職定年を迎える校長、管外へ戻る校長が全校長の半数以上を占め、管理職の大幅入れ替えが予想される。教頭から校長採用への道を支援する研修機会の提供や支援、各校での教頭昇任を目指す人材のリストアップと支援など管理職の人材確保に向け、本気で取り組まなければならない。現在、稚内市の校長会が学校経営研修会を企画し、他町村にも広く呼びかけているところである。

しおばら・さとる

 昭和63年上越教育大卒。利尻富士町立利尻小を振り出しに令和元年稚内市立増幌小中校長、3年幌延町立幌延小を経て、本年度から稚内市立稚内東小校長。

 昭和40年10月21日生まれ、58歳。猿払村出身。

(関係団体 2024-07-23付)

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