校長会長インタビュー 第13回 オホーツク管内校長会会長 天野昌明氏 保護者の信託に応える学校経営
(関係団体 2024-07-24付)

オホーツク管内校長会長天野昌明氏
オホーツク管内校長会長天野昌明氏

―会長就任に当たっての抱負

 オホーツク管内校長会は、18の市町村に小学校68校、中学校43校、小中併置校1校、義務教育学校4校が設置されており、116人の校長で構成されている。本会は昭和47年度の結成以来、オホーツクの子どもたちの未来を支えるために真摯に研究・実践を積み重ね、教育諸条件の整備に努め、学校教育の安定と継続を図ってきた。ことしで53年目を迎え、その歴史と伝統ある本会の会長を仰せつかり、身の引き締まる思いである。

 ふるさとオホーツクに誇りと愛着を持ち、共に未来社会の創造に挑戦する児童生徒を育てるため、組織の総力を挙げて「チームオホーツク管内校長会」として各市町村校長会や関係機関等との連携をより一層強化し、課題解決に努め地域・保護者の信託に応える学校経営を推進していきたい。決して校長は一人孤独ではない。諸先輩方が守り続けてきた組織であり、チームであり、苦楽を共にする家族であるという思いで自らの任を果たしてまいりたい。

―管内の教育の特色、課題と対応

 オホーツク管内は、西は北見山地、南は阿寒山系、東は知床連山に囲まれ、世界自然遺産に登録された「知床」や、国宝に指定された遠軽町の「北海道白滝遺跡群出土品」など自然豊かな地域である。これまでも各学校では地域の自然・人材・施設等を活用した特色ある教育活動が展開されてきた。

 課題は学力向上である。平成29年度に教育委員会協議会教育長部会とオホーツク教育局と本会で提案した「オールオホーツクで学力向上を!」の取組は、全ての市町村で具体的な手だてを共有し、全ての学校で共通の「ロードマップ」を活用した検証改善サイクルを確立している。

 本年度で8年目を迎えた。本年度は「全国学力・学習状況調査やほっかいどうチャレンジテストの活用」「中学校区での授業改善、教育課程の接続等の取組」「1人1台端末の効果的な活用」を重点として、組織的・計画的な取組を推進している。

―信頼される学校づくりに向けて

 校長の責務は、目の前の子どもたちを幸せにするビジョンを描き、これを実現するための学校力を高めることである。オホーツク管内の校長は、カリキュラム・マネジメントの視点で学校を俯瞰し、未来に生きる子どもたちに求められる資質・能力を育むための学校経営ビジョンを掲げ、教職員・保護者・地域と理念を共有しながら学校経営を推進していく。

 社会構造が急速に変わろうとしている。これらの社会を生きる児童生徒が、他者を尊重し多様な人々と協働しながら、その社会的変化を乗り越え持続可能な社会の創り手となるための資質・能力を身に付けるとともに、地域に根差したウェルビーイングの向上のため、「チームオホーツク管内校長会」としてさらなる取組の充実を図っていく。児童生徒には、わが子の成長を願ってやまない保護者がいることを私たちは忘れない。

―学校組織の強化・活性化に向けた取組

 校長が教師の終着地ではない。学びを止めず、常に最新の教育情報を察知し、常に学び続けていくことが使命である。8月16日、第52回オホーツク管内校長会教育研究大会を北見市で開催する。管内校長会研修部がリーダーシップを取り、4月から研究と準備を進め、各市町村校長会、ブロック校長会の協力のもと、四つの分科会に2人ずつ、8人の校長の提言、8人の助言者によって、充実した実りある研修を行っていく。研究は、全道小・全道中・全連小・全日中と連携している。

―教職員の人材育成に対する校長会の対応

 教職志願者の減少、各学校の定数欠員や未配置、管理職希望者の確保は、オホーツクのみならず日本全体の課題である。オホーツク管内校長会として、教職員の資質・能力の総合的な向上に努めることを目標に「校内研修の充実」「各種研修の積極的参加」「女性管理職の育成」「中堅教職員の意識化企画と力量の向上」「採用校長、他管内より異動した校長への支援」「教職員の処遇改善」を視点に推進する。

 また、市町村校長会長連絡協議会を年間3回実施し、各市町村、各学校の課題や好事例を共有するとともに、管内校長会の要望を作成し管内教育委員会協議会教育長部会と協議した上で、オホーツク教育局に諸条件の改善要望を伝え、理解いただいている。

 学校は、児童生徒・保護者・地域のためにあるが、その学校を支える教職員が心身共に元気でゆとりがなければ成り立たないことを意識している。

―教育信条

 「みんなちがって みんないい」。

 平成の教科書に金子みすゞの詩が掲載されることを恩師の先生から教えていただいた時、その目線、ものの見方や考え方に衝撃を受けた。違いを個性として尊重するとともに、常に謙虚で協力する心を持ち続けたい。「令和の日本型学校教育」が目指す児童生徒の姿や資質・能力にもつながると考えている。

 平成元年道教育大旭川分校卒。北見市立北小を振り出しに、斜里町立斜里小、網走市立呼人小に勤務。17年から3年間、中国広州日本人学校に勤務。20年北見市立美山小に勤務。23年日吉小教頭、25年南小教頭、28年遠軽町立遠軽小教頭、29年北見市立上仁頃小校長、31年上常呂小校長、令和3年小泉小校長、6年美山小校長。

 昭和40年4月27日生まれ、59歳、湧別町出身。

(関係団体 2024-07-24付)

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