校長会長インタビュー 第14回 帯広市校長会会長 能戸 貴英氏 学び、先を見て歩み続ける会へ
(関係団体 2024-07-25付)

帯広市校長会・能戸貴英会長
帯広市校長会・能戸貴英会長

―就任に当たっての抱負

 帯広市校長会は、昭和8年に創立し、本年度90周年を迎える。会の構成は小学校長会と中学校長会からなる連合体であり、相互に切磋琢磨しながら、市民の負託に応える学校教育の進展に寄与してきた。

 会長を務めるに当たり「新しい時代をつくる帯広っ子の育成」をテーマとして、「学び、先を見て歩み続ける校長会」を目指して、会務の執行に当たっていきたい。また、90年の節目を迎え、あらためて教育の不易と流行を的確に捉え、新しい時代の教育の実現に向けた様々な改善と進化を着実に進めていく。

 39校の小・中・義務教育学校の校長が連携し合い、帯広市内約1万1400人の児童生徒と保護者および地域の負託に応えるべく、様々な教育課題に積極的に取り組んでいきたい。

―帯広市内学校教育の特色、課題と対応

 帯広市教委と帯広市校長会が密に連携・協働するとともに、各校においては、校長のリーダーシップのもと、教職員と共に組織的な学校経営を推進している。この一体感こそが、帯広市教育の最大の特色である。

 特色ある取組としては、中学校区の幼保小中学校で学びと育ちをつなぐ「エリア・ファミリー構想」やふるさと帯広に対する誇りと愛着を育み、地域社会の一員として、より良い地域づくりに関わる子どもを育てることを目的とした「おびひろ市民学」が定着し、さらなる充実を図っている。

 また、学校独自の自主公開研究会が盛んに行われ、多くの学校が毎年あるいは定期的に研究会を行い、教職員が積極的に授業改善に取り組む風土がある。

 課題は他地域と同様に、ICTの効果的な活用、いじめ・不登校対策、働き方改革等であり、様々な取組・対策を講じている。特に、不登校対策として、教育支援センター「ひろびろ」に加え、前年度からオンライン上の仮想空間「ひろびろチョイス」による支援の充実を図っている。

―信頼される学校づくりに向けて

 「帯広市立学校 新しい時代の学校づくりに向けた考え方」に基づき、知・徳・体の調和と質の高いバランスの取れた教育活動の展開を目指している。校長としての責任の重さや使命を自覚し、学校経営の改善・充実にリーダーシップを発揮していく。また、校長会として、難しい案件の支援に当たる危機対応チームや服務規律順守のためのコンプライアンス研修啓発チームによる取組を大切にしている。  

―学校組織の強化・活性化に向けた取組

 様々な学校課題に対応していくためには、チーム学校の実現や地域・関係機関との行動連携が必要であり、そのためには校長のファシリテーション能力が不可欠である。帯広市校長会として、研究委員会の学校経営委員会を中心に、校内組織の活性化に関する研究や先進事例の情報提供等、学びを進めることで、学校組織の改善につなげたい。

―教職員の人材育成に対する対応

 「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の育成は、これからの経営の最重要課題となる。まずは、校長の資質・能力であるマネジメント力・アセスメント・ファシリテーションの向上を目指し、研修の充実、校長同士での学び合いなど「学びの転換」を意識しながら実行していく。

 そして「働き方改革」を確実に推進し、各校における所属職員育成に結び付けたいと考えている。

―教育信条

 「師弟同汗」―初任校の学校訓。子どもたちと先生方の共感的な教育活動を目指すための訓示であるが、さらに解釈の幅を広げて、先生方同士、保護者・地域と学校も、共感的なつながりを大切にし、関わる全ての人のウェルビーイングを目指している。

 昭和62年道教育大釧路分校卒。北見市立高栄中を振り出しに、平成28年帯広市立川西中、30年帯広第八中、令和3年帯広第一中で校長を歴任し、5年現在の南町中校長。6年から帯広市校長会会長、道中学校長会副会長を務めている。

 昭和39年5月1日生まれ、60歳。帯広市出身。

(関係団体 2024-07-25付)

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