動けば未来が変わる 高校生DO防災アクション 上磯高・伊藤教諭講話や実践発表等 道高校長協会(関係団体 2024-08-07付)
道高校長協会調査研究部管理運営委員会(渋谷圭委員長)は5日、オンラインで高校生「DO防災アクション」を初開催した。道内外から先進的に防災教育を進める高校12校が参加し、各校の避難訓練や1日防災学校の実践を共有。上磯高校の伊藤友彦教諭による講話も行い、災害時に正確な情報を集める必要性やあらかじめ早めに避難する大切さなどを確認した。
高校生「DO防災アクション」は、防災・減災のために事前に必要な準備をする、進んで地域の安全を支えることができる能力を身に付けることが目的。また、他校の防災教育の現状を知ることで、自校の防災教育の成果と課題を知り、課題解決のための取組を進めることをねらった。
道内から月形高校、札幌白陵高校、静内高校、函館西高校、雄武高校、白糠高校、上磯高校の同会管理運営委員会所属校を中心とした7校、道外から石川県立能登高校、輪島高校、東京都立調布南高校、岡山県立玉島商業高校、名古屋市立北高校の5校が参加。生徒が参加しない学校は、防災担当の教職員や管理職がオブザーバーとして協力した。
開会式に続き、防災士の資格を持ち、教育課程内外で地域の実態に即した防災教育を推進する上磯高の伊藤教諭が講話した。
伊藤教諭は、防災士の基本理念「自助」「共助」「協働」について説明。その上で、災害対応のポイントとして①正しく知って②正しく恐れる③正しく備える―の3点を示した。
①については、各自治体で作成しているハザードマップに触れ「ハザードマップは安全保障をしてくれるデータではない。想定を超えてくる災害がある可能性を知っておいてほしい」と注意喚起した。
②では「災害が起きた際に過度に心配する必要はないが、適切な判断をする正確な情報を集めることが必要」と指摘。災害が起きた際には、あらかじめ早めに避難する意識を持つ大切さを説いた。
③では、自宅の災害備蓄品を確認しておくことの大切さを伝えたほか、危険な状況であっても日常のこととして処理してしまう人間の心理「正常性バイアス」によって、逃げ遅れにつながってしまった事例などを紹介した。
最後に高校生に対して「過去と他人は変えることができないが、自分と未来は変えることができる」と呼びかけ「皆さんが動くことで何かが変わっていくので今後も一生懸命取り組んでほしい」と期待した。
続いて、道内高校7校が避難訓練や1日防災学校の取組を発表。教科ごとに防災に関する授業を行っている実践や生徒たち自ら考案した避難訓練の実践などを紹介した。
引き続き、岡山県立玉島商業高と石川県立能登高が災害の被害状況や自校の防災教育の実践を発表した。
玉島商業高では、平成30年7月に発生した西日本豪雨を紹介。多くの犠牲者が出た主な要因を振り返り、事前に自分の住んでいる地域のハザードマップを確認することや日頃から住民と交流しておくことの大切さなどを示した。
能登高は、ことし1月の能登半島地震の被害状況と現状を報告。総合的な探究の時間で活動している災害チームの実践を紹介し「能登以外でも地震が増えてきているので、今後、この経験を生かして少しずつ様々な地域の人にも目を向けて活動していきたい」と抱負を語った。
第2回「高校生DO防災アクション」は、12月に実施する予定。秋の避難訓練の実践に基づいた生徒同士の協議などを計画している。
(関係団体 2024-08-07付)
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