校長会長インタビュー 第23回 胆振管内校長会会長 大谷昌史氏 子の笑顔の循環から全ての人の幸せ願う(関係団体 2024-08-07付)
大谷会長
―会長就任に当たっての抱負
胆振管内校長会は、発足して26年目を迎え、6年度は小学校59校、中学校39校、小中併置校1校、義務教育学校3校の102人の校長が会員となっている。
本年度は、4月に10人の新会員を迎えてのスタートとなった。この4年間で60人以上の校長が定年退職・役職定年し、半数以上が交代している。
そのため、管内校長会としては、学習指導要領の趣旨の実現や職能向上を目指した研修の充実、会員相互の新たなネットワークづくりを重点としている。
歴代の先輩校長が築き上げてきた取組を礎に普遍的なものを大切にしながら現代的な諸課題に102人が結束し、子どもたち・学校・地域・胆振管内のためにある校長会を目指したいと考えている。
私は、本年度初めての会長職を仰せつかり、前年度4年ぶりに全会員参集型で実施した「教育経営・法政研修会」と「教育研究大会」や、来年度室蘭市での開催を予定している「北海道中学校長会研究大会胆振・室蘭大会」の開催に向けて準備を進めているところである。
また、前年度初めて実施した胆振管内校長会主催の「後継者育成研修会」についてもさらに充実した内容となるように、本年度の重点の一つとして取り組んでいく。
―管内の教育の特色
胆振管内全ての市町において従前から小中連携教育や一貫教育など、小中の滑らかな接続を意識した取組や地域の特色や実情を踏まえた地学協働活動が行われている。
また、胆振管内には、2年7月に開業したウポポイや、3年7月に世界文化遺産に登録となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」として伊達市の北黄金貝塚と洞爺湖町の入江貝塚・高砂貝塚を有している。さらに、洞爺湖有珠山ジオパーク、むかわ竜、炭鉄港を含め「いぶり五大遺産」を有し、これらの貴重な地域資源を生かした体験的な学習や探究的な学習がふるさと教育として展開されている。
―管内の教育課題と対応
学力の定着に向け、管内全ての学校が各種調査の結果などから課題を分析し、授業改革など様々な取組を続け、市町校長会が市町教育委員会と連携し取り組んでいる。
子どもたちのゲームやスマートフォンに触れる時間の長さは、継続的に課題となっており、望ましい生活習慣や学習習慣の確立に向けて、胆振教育局や胆振管内教育長協議会、PTA連合会と連携を図りながら、その改善に取り組んでいるところである。
―教職員の人材育成に対する管内校長会の対応
教職員の人材育成と学校組織の強化・活性化については、スパイラルに絡み合いながら高まっていくと考えている。
人材育成については、胆振教育局や研究所、管内校長会や各市町・各校において授業改革や校務改善を視点に校内研修やメンター研修、各種研修会を実施しているところである。また、学校の統廃合に伴い管理職数が減少しており、役職定年を迎える管理職が今後も一定数いるため、数年後を見据えた後継者の育成が課題の一つとなっている。
そのため、前述のとおり胆振管内校長会主催の「後継者育成研修会」を重点の一つとしており、本年度も副校長・教頭および市町教育委員会職員を対象として2回、主幹教諭および教諭、市町教育委員会職員を対象とした研修を1回実施する。この研修会が人材育成の一助となることを願っている。
さらに教職員個々の活躍の場を組織内で意図的につくり、教職員の主体性と自信、誇りを高めることから学校組織の強化・活性化に取り組んでいる。
教職員が育ち、学校組織が活性化し、地域とつながることで信頼される学校となっていくと考えている。
―教育信条
「子ども・家庭・地域・教職員…自分に関わる全ての人が幸せになる」ことが大切だと日々考えている。自分に関わる全ての人の幸せのために自校の学校経営はもとより、胆振管内校長会の運営に当たっていきたい。
平成元年帝京大卒。胆振管内小学校教諭、養護学校教諭、胆振管内小学校教頭を経て令和2年豊浦町立豊浦小校長、4年室蘭市立八丁平小校長、6年旭ヶ丘小校長。
昭和42年3月5日生まれ、57歳、岩内町出身。
(関係団体 2024-08-07付)
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