全国公立小・中女性校長会が道大会 ロマン持って学校改革を 講演や分科会等通し500人研鑚(関係団体 2024-08-06付)
第74回全国公立小・中学校女性校長会全国研究協議大会北海道大会が1、2日の2日間、京王プラザホテル札幌で開かれた。北海道での開催は平成26年以来10年ぶり。大会主題「自ら未来を切り拓き 共によりよい社会を創る日本人を育成する学校教育の推進」のもと、全国の女性校長500人余りが参加し、講演や記念講演、分科会・分散会などを通して、今日的な教育課題の解決に向けて研鑚を積んだ。
全国公立小・中学校女性校長会(井口美由紀会長)、道公立小・中・特別支援学校女性管理職会(山下尊子会長)の共催。道内での開催は、昭和51年、平成7年、17年、26年に続いて5回目となった。
開会式であいさつに立った井口会長は、6月に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数に言及し「わが国の女性管理職比率の低さは、世界的にも低水準にとどまっている」と指摘。
高等教育就学率をはじめとした教育格差や、男女の経済格差など「世の中に存在するアンコンシャス・バイアスに気付き、変えていこうとする子どもを育てていくことも教育の大きな役割であり、子どもの成長に直接関わる私たち校長の使命」と述べた。
子どもたちに必要な資質・能力を育成し、一人ひとりの可能性を大きく伸ばすためにも「教員の確実な育成も重要な仕事」と位置付けた。質の高い教育の育成に向けてリーダーシップを発揮し「未来社会を担う人材を育てる強い意志とロマンを持って学校改革に取り組もう」などと呼びかけた。
大会実行委員長を務める札幌市公立学校女性管理職会の福島由紀子会長は「確かな学びは、子どもが描く一人ひとりの未来予想図の大事な土台」と強調。分科会・分散会を通して「“参加して良かった”と感じてもらえるよう、オール北海道で準備を進めた。日々の実践や努力を語り合い、交流していただきたい」と期待した。
来賓あいさつでは、文部科学省初等中等教育局の藤枝秀樹視学官、道の三橋剛副知事、札幌市の秋元克広市長、全日本中学校長会の青海正会長が登壇した。
藤枝視学官は「将来の予測が困難な時代においては、これまでの日本型教育の良さを受け継ぎながら、令和の日本型学校教育を実現していくことが極めて重要だ」と指摘。1人1台端末を必須のツールとして、デジタルの活用を前提とした新しい時代の教育を実現するよう求める一方で、教師を取り巻く厳しい環境に触れ「教師の魅力を向上させ、優れた人材を確保することが不可欠」などと述べた。
中教審「質の高い教師の確保特別部会」における提言に言及し「文科省として、提言を踏まえ、学校教育の質の向上を通した、全ての子どもたちへのより良い教育を実現していく」と力を込めた。校務DXの推進、学校における働き方改革の加速、教師の処遇改善などを一体的・総合的に推進していく考えを示した。
このあと、藤枝視学官が「当面する初等中等教育上の諸課題」について講演、和食料理人で南極地域観測隊に参加した篠原洋一氏が「多様性社会をしなやかに生きるリーダー術~南極観測隊と客船乗務の経験から」をテーマに記念講演した。
2日目は、分科会・分散会を開催。閉会式では、北海道大会研修部長で札幌市立手稲宮丘小学校の近香奈子校長が大会宣言を読み上げ、2日間にわたる研鑚の場を締めくくった。
(関係団体 2024-08-06付)
その他の記事( 関係団体)
第73回道高校農業教育研究大会 持続可能な社会形成へ 4分科会やシンポジウム等
【帯広発】第73回道高校農業教育研究大会、第28回全国高校農場協会北海道支部大会が7月25日からの2日間、帯広市内のとかちプラザで開かれた。全道から137人が参加。研究主題「持続可能な農業...(2024-08-08) 全て読む
動けば未来が変わる 高校生DO防災アクション 上磯高・伊藤教諭講話や実践発表等 道高校長協会
道高校長協会調査研究部管理運営委員会(渋谷圭委員長)は5日、オンラインで高校生「DO防災アクション」を初開催した。道内外から先進的に防災教育を進める高校12校が参加し、各校の避難訓練や1日...(2024-08-07) 全て読む
校長会長インタビュー 第23回 胆振管内校長会会長 大谷昌史氏 子の笑顔の循環から全ての人の幸せ願う
―会長就任に当たっての抱負 胆振管内校長会は、発足して26年目を迎え、6年度は小学校59校、中学校39校、小中併置校1校、義務教育学校3校の102人の校長が会員となっている。 本年度...(2024-08-07) 全て読む
堀口組に感謝状 野球グラウンド整備で 羽幌高
【留萌発】羽幌高校(村田一平校長)は7月中旬、留萌市内の建設業㈱堀口組に対して感謝状を贈呈した。同校の野球グラウンド整備に対するもの。同社の堀口哲志社長は「今後も手伝いができたら」と話した...(2024-08-06) 全て読む
道研連 夏季所員学習会 個別を“孤別”にしない 道教大旭川・山中准教授講義
道教育研究所連盟(道研連、川端香代子会長)は7月30日、夏季所員学習会をオンラインで開催した。道教育大学旭川校の山中謙司准教授が「“個別最適な学び”と“協働的な学び”の一体的な充実に向けた...(2024-08-06) 全て読む
校長会長インタビュー 第22回 後志小中学校長会会長 中村和男氏 つながりを武器に羅針盤づくりを
―会長就任に当たっての抱負 多くの課題を抱え学校経営を行う校長にとって、課題解決のための決断や判断の際は、迷いや不安が常につきまとうものである。そのような時に、校長の羅針盤の一つとして、...(2024-08-06) 全て読む
札幌で第75回指定都市学校保健協 子の健康創出力育成を 心身脅かす諸課題対応へ研鑚
第75回指定都市学校保健協議会が7月28日、ホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。全国の関係者220人余りが出席。社会環境や生活環境の急激な変化など、児童生徒の心身の健康を脅かす諸課題への対...(2024-08-05) 全て読む
北私幼 第66回研究大会 質の高い幼児教育実現へ 1300人参加し研鑚積む
第66回道私立幼稚園教育研究大会が1日、ホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。参集およびオンラインを合わせて1300人余りが参加。テーマ「一人ひとりの“こどもがまんなか”を守る質の高い幼児教...(2024-08-05) 全て読む
校長会長インタビュー 第21回 小樽市校長会会長 代永 研 氏 「自走」と「共走」をテーマに
―会長就任に当たっての抱負 小樽市校長会の伝統や歴代会長の功績を受け継ぎ、この役職を拝命し大変身の引き締まる思いである。本年度は「自走」と「共走」をテーマに掲げ活動をスタートした。1校を...(2024-08-05) 全て読む
「つながり」と「信頼」を大事に校長会長インタビュー 第20回 札幌市中学校長会会長 秀島 起也 氏
―会長就任に当たっての抱負 会長として就任するに当たり、その責任の重さを感じている。教育現場は日々変化し続けており、持続的で魅力ある学校教育の実現が求められている。校長会が一丸となっ...(2024-08-02) 全て読む