校長会長インタビュー 第22回 後志小中学校長会会長 中村和男氏 つながりを武器に羅針盤づくりを(関係団体 2024-08-06付)
中村会長
―会長就任に当たっての抱負
多くの課題を抱え学校経営を行う校長にとって、課題解決のための決断や判断の際は、迷いや不安が常につきまとうものである。そのような時に、校長の羅針盤の一つとして、校長会が機能できたらと考えている。管内19町村校長会、そして62人の校長のつながりを最大の武器に、情報収集、情報発信・共有を中核に、羅針盤づくりを進めていきたい。また、先輩方がこれまで築いてこられた、後志教育局や後志町村教育委員会協議会、道小、道中等の関係機関との信頼に基づく連携をより一層強固なものとして、後志管内の教育の充実・発展に力を尽くしていきたい。
―管内の教育課題と対応
①授業改善
後志管内においても、個別最適な学びや協働的な学びの一体的な充実による、子どもを主語にした授業づくりが課題となっている。特に、タブレット端末やクラウドを効果的に活用した授業改善については、各町村、各校が重点的かつスピード感を持ってその実践を推し進めている。
前年度、校長会では、後志教育局にご支援いただき、ICTの有効活用や探究活動を取り入れた授業実践を進める先進校の視察研修を企画、実施した。研修後には研修報告会を開催し、広く管内へ視察研修の成果を提供することができた。本年度は、管内においても実践の成果が聞こえてきていることから、校長会のつながりを存分に生かし、授業改善に関わる情報収集、情報発信を積極的に行っていきたい。
また、本年度も、小・中学校教員の教科に関する主体的な研修・研究の活性化を促すとともに、情報受発信の機会を確保し、管内教員の資質・能力の向上を図るねらいで「教科研修促進事業」を推進する。町村教育委員会協議会の支援のもと、各校、各教科団体の研修会・研究会をサポートしていきたい。
②人材育成
依然として後志管内における「教頭のなり手不足」は大きな課題であり、後志教育局や町村教育委員会協議会教育長部会とも課題意識を共有し、その解決に向けた取組を進めているところである。
校長会では、魅力ある学校づくりや学校運営上の課題解決に関わる研修として、教頭、ミドルリーダーを対象に「後志学校運営スキルアップセミナー」を開催している。本年度も、講師は校長会員だけではなく、後志教育局をはじめ関係機関にもご協力いただき、研修の充実を図っていきたい。
また、校長会で「人材育成チーム」をつくり、管内の校長採用選考受験者、教頭昇任候補者を対象に理論や論文・面接対応の研修を組織的に推進する予定である。対象者の所属校長とも効果的に連携し、管理職の育成と職能の向上を図っていきたい。
そして、これまでも「諸表簿のデジタル化」や「会議等の見直し」を提言してきたように、課題解決の方策の一つとして、教頭の業務負担軽減につながる働き方改革について、さらに前進させていきたい。特に、会員への調査に基づく実態把握を土台に、課題の焦点化・重点化を図り、具体的な提言を関係機関に働きかけるとともに、全ての町村で着実に働き方改革が進むよう、校長一人ひとりをしっかりとバックアップしていきたいと考えている。
―教育信条
若い頃、先輩の先生によく言われたのが「子どもが生きているか」だった。個別最適な学びや協働的な学びを充実させる今こそ、子どもの力を信じ、子どもが生きている授業や教育活動を進めたい。
平成2年道教育大函館分校卒。根室管内小学校で10年間勤務したあと、島牧村立島牧小など後志管内で勤務。27年喜茂別町立鈴川小校長、その後、江別市立東野幌小校長、共和町立共和中校長を経て、令和6年から現職の倶知安町立倶知安小校長。
59歳。赤井川村出身。
(関係団体 2024-08-06付)
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