道教委 教員夏季特別セミナー 自立した学習者育成へ 水谷氏 春日井市の実践発表
(道・道教委 2024-08-09付)

教員夏季特別セミナー
教員夏季特別セミナー

 道教委は7月30日、札幌市内の道第二水産ビルで教員夏季特別セミナー「“個別最適な学び”と“協働的な学び”の実現」を開催した。文部科学省学校DX戦略アドバイザーを務める春日井市教委教育研究所の水谷年孝教育DX推進専門官が講師となり、自立した学習者の育成を目指す春日井市の授業実践を紹介。授業のみならず校務・研修と一体的にICTの活用を進める重要性や、目指す子ども像を明確にした授業づくりの必要性を説いた。

 セミナーはICT環境を学習基盤とする個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた取組への理解を深めるため開催したもの。

 各校種の管理職・教員、道教委・市町村教委の指導主事約310人が参加した。

 開会に当たり教職員育成課の松橋朗課長は「セミナーで得た気付きを2学期以降の取組につなげ、教育活動の一層の質の向上を図ってほしい」と期待した。

 続いて水谷専門官が「1人1台端末+クラウド環境の日常的な活用による主体的な学びの実現と校務・研修改善」と題して講演。ICTを活用して情報を収集・整理・分析し、他者の考えを参考にして新たな発見や気付きを促す「他者参照」を繰り返す春日井市の授業風景を伝え、子どもの様々な能力の拡大、自ら学習する力の習得へとつながっていることを紹介した。

 また、ICTの活用は、授業、校務、研修と一体的に活用していくことが効果的とし「教師が自らGIGAスクール構想下の新たな環境を体験することが必要。新しいことにチャレンジし続ける教師のマインドと、実現を応援する管理職によるマネジメントが求められる」と説いた。

 個別学習、協働的学び、従来の一斉指導など様々な授業の形態が現れているとしつつも、複線型の授業はゴールではなく経過に過ぎないと指摘。子どもたちが自立した学習者となるために必要なことを見抜く視点、「他者参照」の土台となる人間関係づくりの重要性も示した。

 参加者からは「子どもと同じように教師自身も“やってみる”“考える”を繰り返しながら試行錯誤していくことが必要だと感じた」「自立した学習者の育成に向け、自己決定と試行錯誤をキーワードに授業を振り返り、より良い授業の構築につなげていきたい」などの感想が寄せられた。

(道・道教委 2024-08-09付)

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