釧路局 未来会議プロジェクト 地域の将来を考えよう 小中学生ができること考える
(道・道教委 2024-08-16付)

くしろ未来会議プロジェクト

 【釧路発】釧路教育局は7月下旬、第1回「くしろ未来づくりプロジェクト」くしろ未来会議プロジェクトを開催した。本年度からスタートした局独自事業には、管内小中学生43人が参加。地域活性化に資する活動に取り組む人材の講話や高校生の発表に耳を傾け、より良い地域づくりに向けて自分たちができることを考え合った。

 全国学力・学習状況調査質問紙調査結果をみると「今住んでいる地域の行事に参加している」と回答した児童生徒の割合は4年度が小学生44・8%、中学生31・2%、5年度が小学生46%、中学生30・7%と全国平均を下回った。「地域や社会を良くするために何かしてみたい」でも、4年度が小学生47・6%、中学生34・1%、5年度が小学生76・8%、中学生57・3%と全国平均を割り込んだ。

 こうした結果を踏まえ釧路局は、本年度新たに「くしろ未来会議プロジェクト」を立ち上げた。小中学生が人口減少などの地域問題に向き合う機会を設定。地域の一員としての当事者意識を育むとともに、探究的な活動を交流することで小・中学校における地学協働に係る連携の一助とすることを目指した。

 はじめに、釧路総合振興局の梅野亮太地域振興係長が釧路の活性化に向けた取組を説明。本道の少子高齢化問題に触れ「人口が減少すると公共交通機関や医療サービスの需要が減り、不便になる。そのことが原因でさらに人口が減少する、という負の連鎖につながる」と問題の深刻さを伝えた。

 続いて、釧路國一之宮厳島神社の菊池吉史権禰宜が地域のテーマソングの作曲や観光客に向けた観光マップなど、好きなことを生かして行ってきた地域貢献を紹介。「今頑張って取り組んでいることの何が将来に役立つかは分からない。これからのことを心配し過ぎず、自分のやりたいことをやってほしい」と応援した。

 厚岸町教委の斉藤烈社会教育主事が「なんのために学ぶのか?~ワクワクする人生を創る」と題し講話。釧路の名物を挙げ「インターネットで調べてすぐ出てくるものだけが魅力ではない。当たり前を疑って生きてほしい」と呼びかけた。

 標茶高校の生徒たちが「標茶町の課題」と題してオンデマンドで発表。自分たちで計画したバスツアーや、地元中学生の学校祭への受け入れなどを紹介し、活動を通して学んだことを伝えた。

 このあと、児童生徒たちがブレイクアウトルームに分かれて交流。個々が考える釧路の魅力などについて話し、講話の内容を踏まえて地域をより良くするためのアイデアを出し合った。

 オブザーバーとして参加した釧路明輝高校の生徒は「根拠のある意見が多かった。地域の魅力をどう生かすか、どこを改善すれば地域の発展を望めるのかを考えていることがよく分かる発言をしていた」と講評した。

(道・道教委 2024-08-16付)

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