渡島局 実習船航海士育成へ 資格取得 費用 乗組員負担を軽減 道内水産高の実習体制維持
(道・道教委 2024-08-27付)

 【函館発】渡島教育局は本年度、実習船に従事する航海士の育成に向けた取組を開始した。総務省の認定制度を活用することで、乗組員が資格取得に要していた費用等の負担を軽減。気軽な受講体制を構築することで、道内水産高校の実習体制の維持につなげる試み。

 小樽水産高校、函館水産高校、厚岸翔洋高校の生徒は例年、マグロのはえ縄実習を行うため、ハワイ沖などの国際航海に出航する。生徒が使用する道教委の実習船・若竹丸の運航に従事する航海士になるには「第1級海上特殊無線技士」の資格取得が必要で、これまで乗組員が個人的に資格取得に取り組む必要があった。

 一方、資格試験が定期的に開催されているのは東京、大阪、神戸などの大都市に限られているのが実情。移動や宿泊を含めた費用は20万~30万円を要し、年間約半数の期間を海上で過ごす乗組員にとって大きな負担となっていた。

 対策として、渡島局は同免許の短期養成講習制度を導入。総務省から電波法令に基づく国家試験の実施機関の認定を受けることで「無線資格」を持つ通信士が講師を務められる。受講料は8500円と、試験に要する費用の軽減につながる利点がある。

 試行年度のことしは7月下旬から8月上旬までの7日間、乗組員9人が海外渡航に必要な英語や無線工学、電気通信術、法規などの講義を約40時間受講し、全員が同資格を取得することができた。

 渡島局によると、1級無線技士の資格を持つ実習船の乗組員は若竹丸で9人、北鳳丸で5人。例年一定数の人員を確保してきたが、取得に強制力はなく個人の意思で行うため、新たな航海士の育成が困難な課題もあるという。今回の取組によって石川耕治乗船実習指導班主査は「道内水産高校の実習体制の維持に向け、大きく前進することができた」と話す。

 渡島局は今後、3、4年単位で短期養成講習制度を実施することを検討している。

(道・道教委 2024-08-27付)

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