【解説】D―EST構築中間まとめ
(解説 2024-08-30付)

 文部科学省は27日、被災地学び支援派遣等枠組み(D―EST、ディーエスト)構築に向けた中間まとめを発表した。訓練を受けた教職員が被災地の学校を支援する「学校支援チーム」の連携体制を構築し、被災地外から教職員等を派遣する全体像を示した。12月をめどに最終まとめを作成し、7年度開始を目指す。

 1月の能登半島地震では学校施設の被害や教職員の被災によって学校再開が遅延。兵庫県など5県が学校支援チームを派遣して教育活動の早期復旧を支援したほか、55の都道府県・市・独立行政法人が職員を派遣し、避難先での学習支援や心のケアを担った。 

 一方、被災地の状況やニーズの迅速・的確な把握、自治体間の調整などの課題もあり、文科省は大規模災害に備えた情報収集体制を強化するとともに、学校支援チームの取組を全国に広げ、被災地の学びの保障を効果的に支援する。

 D―ESTは①文科省職員による職員派遣②被災地外の学校支援チームの派遣③被災地外の教職員・スクールカウンセラーの派遣―を柱とし、文科省からは学校施設の復旧支援や学校再開に向けた助言を担う職員を派遣する。

 国・都道府県が交流や知見の提供を行うプラットフォームも構築し、被災地の情報を共有して派遣調整を行うほか、平時では研修や新規のチーム創設の支援などを担う。教職員の派遣は被災地の要請を受け文科省が調整。派遣候補者リストの作成や平常業務の分担をあらかじめ検討する。

 盛山正仁文科相は28日の記者会見で「より迅速かつ機動的に被災地の学びを支援するため関係機関・自治体との協力を進め、平時からの連携の強化、発災時における教職員等の派遣のスキームの整理と必要な取組を進めていく」との考えを示した。

(解説 2024-08-30付)

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