【解説】教職調整額引き上げへ折衝開始
(解説 2024-09-03付)

 盛山正仁文部科学大臣は8月30日の記者会見で、教職調整額を13%引き上げた場合の通年ベース所要額として1000億円以上になるとの試算を示し、文部科学予算全体の増額に向け、財務当局との折衝に当たる決意を示した。

 文科省は8月29日、文科相を本部長とする教師を取り巻く環境整備推進本部の初会合を開催し、「教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ」を取りまとめた。

 中教審答申「“令和の日本型学校教育”を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」を踏まえた内容となっており、学校における働き方改革のさらなる加速化、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的・総合的に推進する方向性を明記。文科省は今後、働き方改革の実効性向上や柔軟な働き方の実現、教師の健康・福祉の確保に向けた仕組みの構築に向けた取組を進めるほか、小学校中学年における教科担任制の拡充、生徒指導担当教師の全中学校への配置など、教職員定数の改善の実現を目指すとしている。

 会議で盛山大臣は各担当局に対し、国・教育委員会・学校が一体となって定量的な目標設定や時間外在校等時間の縮減状況などの見える化を図り、成果につなげていく仕組みを実現するよう指示した。

 翌30日の記者会見で盛山大臣は、教職調整額を現行の4%から13%へと引き上げる場合、8年1~3月の3ヵ月分で約190億円、期末勤勉手当などを含めた通年ベースでの所要額として1000億円以上になる試算を示した。

 7年度概算要求では、学級担任手当や管理職手当の増額、次世代校務支援システムの環境整備などの新規事業も措置。年末の閣僚折衝で一定の方向性が明らかになることが予想される。

(解説 2024-09-03付)

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