【解説】電子教科書の在り方検討へ
(解説 2024-09-06付)

 文部科学省のデジタル教科書推進ワーキンググループは4日、第1回会議を開き、デジタル教科書の今後の在り方や制度的な位置付けの検討を開始した。次期学習指導要領やGIGAスクール構想第2期を見据え、デジタル教科書の効果・影響などを踏まえた今後の推進方策、制度設計、検討・採択等の在り方をまとめる。

 デジタル教科書は教育課程の一部で使用することが可能となった平成31年度から急速に拡大。紙の教科書に対する発行比率は、令和元年度が小学校20%、中学校26%、高校13%だったのに対し、7年度は小学校100%、中学校99%、高校76%となる見通し。

 文字の拡大、音声読み上げ、ルビ振りなどの機能は外国人や障がいのある児童生徒の学習上の困難さの低減に寄与。教科書の一部を隠す付箋機能、平面図形・立体図形の回転などのシミュレーション、関連教材・資料とのリンク、問題の自動採点など様々な機能がある。文科省は当面の間、紙とデジタルの教科書を併用する方針を示しており、小学校5年生から中学校3年生の英語、算数・数学など一部の教科でデジタル教科書を段階的に導入。10年度までに100%の学校が実践的に活用する目標を立てている。

 会議では、教科書に掲載されている2次元バーコードが3・5倍と大幅に増加し、供給過多による教科書発行者や学校現場の負担にもつながることを懸念。適正な分量を検討・設定する必要性が指摘された。

 文科省からは紙の教科書の大判化・増量化が進んでいるデータを提示。この50年間で標準授業時数は減少している一方、小学校4教科の総ページ数は約3倍、中学校5教科で約1・5倍に増加しており、児童生徒の負担となっていることが明らかになった。

(解説 2024-09-06付)

その他の記事( 解説)

【解説】次世代の〝ブカツ〟実現へ

 日本郵政㈱、スポーツデータバンク㈱、三井住友海上火災保険㈱の3社は10日、「ブカツ・サポート・コンソーシアム(通称・ブカサポ)」の設立を発表した。部活動の地域連携・地域移行に取り組む自治体...

(2024-09-13)  全て読む

【解説】共通テスト出願 電子化へ

 大学入試センターは8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(8年1月実施)の電子化の概要と予定スケジュールを公表した。7年7月上旬にオンラインでの出願を開始。高校関係者向けの特設サイト...

(2024-09-12)  全て読む

【解説】端末価格高騰 48%が懸念

 MM総研の「GIGAスクール構想実現に向けたICT環境整備調査」によると、48%の自治体が円安による端末価格の高騰を懸念していることが分かった。調達方針を決めている自治体の整備端末はクロー...

(2024-09-11)  全て読む

【解説】地域クラブ 7割が満足

 地域クラブ活動に参加した中学生の71・5%が「満足」「やや満足」と回答していることが、スポーツ庁による5年度アンケート結果で分かった。地域クラブ活動に求めるものは「技術力の向上」が最多だが...

(2024-09-10)  全て読む

【解説】半導体人材の育成拠点形成

 半導体の需要は世界的に拡大しており、経済安全保障の面からも戦略的重要性を帯びている。一方、半導体関連産業を担う人材は不足しており、JEITA(電子情報技術産業協会)によると今後10年間で必...

(2024-09-09)  全て読む

【解説】待機児童数 7年連続減少

 全国の待機児童の数がことし4月1日時点で2567人となり、7年連続で減少したことがこども家庭庁の調査結果で分かった。保育の受け皿拡大や就学前人口の減少などが主な要因。一方、道内の待機児童数...

(2024-09-04)  全て読む

【解説】教職調整額引き上げへ折衝開始

 盛山正仁文部科学大臣は8月30日の記者会見で、教職調整額を13%引き上げた場合の通年ベース所要額として1000億円以上になるとの試算を示し、文部科学予算全体の増額に向け、財務当局との折衝に...

(2024-09-03)  全て読む

【解説】校内教育支援センター 設置率4割

 全国の小・中学校における校内教育支援センターの設置率は46・1%、札幌市を除く道内で40・4%となっていることが文部科学省の調査で分かった。学校内に学習拠点を設置・提供することで不登校の未...

(2024-09-02)  全て読む

【解説】D―EST構築中間まとめ

 文部科学省は27日、被災地学び支援派遣等枠組み(D―EST、ディーエスト)構築に向けた中間まとめを発表した。訓練を受けた教職員が被災地の学校を支援する「学校支援チーム」の連携体制を構築し、...

(2024-08-30)  全て読む

【解説】全特長 ICT活用状況調査

 全国特別支援学校長会の調査によると、1人1台端末を整備している公立特別支援学校のうち、アイパッドの導入率は小学部で92・5%、中学部で92・1%、高等部で84・6%となっていることが分かっ...

(2024-08-29)  全て読む