インクルーシブな学校運営モデル事業 特別支援教育 学び合い 七飯養と七飯中 年2回研修
(道・道教委 2024-09-05付)

インクルーシブな学校運営モデル事業
インクルーシブな学校運営モデル事業

 【函館発】文部科学省「インクルーシブな学校運営モデル事業」の指定を受けている七飯養護学校(北嶋公博校長)、七飯町立七飯中学校(細川和成校長)は、教員間の連携および相互理解を深めようと、年2回の共同研修を計画している。8月28日、七飯町文化センターで初回が行われ、両校教職員112人が参加。教員の要望に応え、七飯中教員がICT活用に関する取組を紹介したほか、グループ交流を通して特別支援教育の奥深さや自身の成長を感じた経験談を語り合った。

 事業は全国14地域が委託を受けており、インクルーシブ教育システムの推進に向けて、特別支援学校と小・中学校等を一体的に運営するためのモデルを構築し、全国に発信するもの。「交流および共同学習を発展させた柔軟で新しい授業」「教職員の専門性を高めた授業実施に向けた体制構築」の2点の在り方を3ヵ年で実証する。

 七飯養護と七飯中は「教職員の専門性を高めた授業実施に向けた体制構築」に向けて、年2回の共同研修に加え、七飯中校内支援委員会への参画や授業見学等を計画。両校で相互理解を図り、日常的な教員間の連携強化を目指している。

 8月28日には第1回共同研修が開かれ、七飯養護から90人、七飯中から22人の教員が出席した。

 開会に当たり、七飯養護の北嶋校長は「校種が異なる子どもたちと教職員が、共に学び高め合える新たなチャレンジ」と事業の発展性に触れ、協力に謝意を示した。

 教員のニーズに応え、校務および授業におけるICT活用について七飯中教員が取組を説明した。生徒および教員に町教委から1人1台端末が貸与され、校内で情報共有や連絡等で日常的に活用。体育大会や学校祭等の学校行事では、生徒から生徒へと情報を発信し、協力を呼びかけるなど、ICTの活用が生徒の主体性発揮にも一役買っていることを伝えた。

 授業においては、導入時の復習場面や受験対策などで活用できる練習問題等を共有。生徒が自身の学習状況を把握し、進度に応じた学習を進めることができ、個別最適な学びにつながっていることを示した。

 続いて、5人程度のグループに分かれて交流した。「特別支援教育の奥深さや教育者としての成長につながったこと」をテーマに据え、各自の経験談を共有。子ども目線の考えや、子どもが互いに認め合う環境づくりの必要性などを実感したエピソードを語り合い「失敗だと感じたことが心に残り、現在の考えにつながっている」との声も上がった。

 参加者たちは「校種は異なっても、個別最適な学びを実現させるために手探りで特別支援教育を行っていると感じた」「互いの学校について意外と知らないことが多く、新しい発見があった」と感想を寄せた。「中学校の生徒の話を聞いて、交流学習への安心感が持てた」「中学校の視点で捉えた交流学習のイメージを知ることができた」「3年間での子どもたちの変容を見ることが楽しみになった」と、事業推進に期待感を持つ声も多かった。

(道・道教委 2024-09-05付)

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