こども家庭庁　保育ＤＸ推進へ　保活等手続きシステム化　７年度末以降　運用予定

（国 2024-09-26付）

保育DXによる変化のイメージ（クリックすると拡大表示されます）

こども家庭庁は７年度、保護者、保育施設、自治体間の手続きをシステム化する「保育ＤＸ」に着手する。給付・監査などの業務のデータ連携を行う「施設管理プラットフォーム」とともに、保活に関する情報を受け渡しする「保活情報連携基盤」を整備。保育の質の向上に関する業務に注力できる体制の構築のほか、入所申請などの手続きをオンライン化することで保護者負担の軽減につなげる。７年度末以降の運用開始を目指している。

　保育施設では給付請求や監査など書類作成に携わる保育士の事務負担が大きく、自治体においても提出書類の審査、データ入力の作業に時間を要する課題が顕在化している。

　保護者においては保育所の入所申請に必要な情報収集、施設見学の予約といった「保活」への負担が大きい状況となっている。

　このためこども家庭庁は７年度、保育業務のワンスオンリー（省力化）に向けた施設管理プラットフォームと、入園に必要な手続きの一括化に向けた保活情報連携基盤の整備を計画。概算要求に関連経費として６１億円を計上した。

　具体的には、保育施設のＩＣＴシステムと自治体の基幹業務システムを連携したプラットフォームを構築することで、給付・監査などの業務のデータを連携・管理。

　負荷が大きかった審査業務の事務処理や問い合わせ対応などをシステム化し、保育施設や自治体の業務負荷軽減を図る。

　保活領域では、施設の検索・確認、見学予約、入所申請などの手続きをオンライン化するとともに、自治体間で異なる書類を標準化。保育施設のＩＣＴシステムやこども誰でも通園制度の総合支援システムと相互に連携させる仕組みとし、保護者の負担軽減につなげる。

　こども家庭庁は、自治体・事業者・関係団体などで構成する協議会を設置して保育ＤＸの実現に向けた検討を進めている。各自治体で行っている業務の実態調査や、１０月末～１１月上旬にかけて実施予定の意見照会を経て、全国展開に向けた検討事項をまとめる予定。

　７年度中に両システムの設計・開発に着手し、７年度末からの運用を開始。８年度からは運用状況等を踏まえ、機能追加のための改修を実施する計画となっている。

(国 2024-09-26付)