【解説】学校体験 教職理解の契機に
(解説 2024-09-30付)

 道教委は高校生の小・中学校等におけるインターンシップの5年度実施状況をまとめた。公立・私立高校102校から前年度の1・9倍となる1235人が参加。アンケートで「インターンシップ全体を通して自分の役に立った」と回答した割合は100%となり、教職への理解を深める貴重な契機となっている。

 インターンシップは、高校生が教員の職務や学校教育の内容について理解を深め、子どもと触れ合う楽しさや教職の魅力を実感してもらおうと令和元年度から試行し、2年度から本格的に開始。インターンシップ先では、授業参観や授業体験など学習に関わる指導・支援のほか、清掃指導の補助、給食時間・休み時間における子どもとの交流、教員との交流などを行っており、参加生徒からは「小さい頃からの夢だった“先生という職業に就きたい”と強く思えるインターンシップになった」「教職の大変な話を聞き悩んでいたが、実際に体験してみると楽しく、達成感があった」と評判は上々だ。

 近隣市町村教委と連携して受け入れ先の学校との調整を行う道立高校の事例もあり、道教委は本年度から教育局が調整を行う「教育局マッチング型」に加えて、高校が地域や学校の実情に応じて行う「地域連携型」を新設して取り組んでいる。

 教職の魅力を伝える取組はこのほかにも、高校生に教員の基礎を学んでもらう「未来の教員育成プログラム」、大学生が小・中学校で教育実習を体験する「草の根教育実習」などがある。いずれも事業規模を拡大しており、現場の授業や児童生徒との接し方を知ることで大きな刺激となっている。教員不足が社会的課題となり、学校における働き方改革や処遇改善が焦眉の課題となる中、教職のやりがいを実感できる環境の整備が進みつつある。

(解説 2024-09-30付)

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