【解説】能力発揮できる環境を
(解説 2024-10-07付)

 近年、給与制度の改定は若年層職員を重点に引き上げを続け、一般職と係長級以上の役職者との給与差が小さくなっている。このため人事院は政策の企画・立案、高度な調整などを担う職員の処遇改善の在り方を検討しており、道人事委員会においても職責に見合った給与差の確保を検討する必要があると指摘する。

 一方、人材獲得競争が激化して働き方の価値観も多様化する中、若年層で転職の傾向が強まっている。道における30歳未満職員の5年度自己都合退職者数は165人で、4年前の1・7倍に増加。職員を対象に実施したアンケートによると「定年まで働きたい」と回答した割合は46・6%、30歳未満は31・6%だった。

中途離職防止の観点から必要な取組は「給与水準の引き上げ」「働き方改革の推進」の順に高い。女性職員の管理職に対する意識をみると「大変そうに見える」との回答が72・1%、将来管理職になりたい女性職員は12・5%だった。

 道人事委員会は、全ての職員が能力を発揮して働き続ける環境を実現するため、採用から退職の視点に立つ人事管理、働き方改革の推進や勤務環境の整備が重要とし、愛着を持てる職場づくりや組織・仕事への貢献意欲を高める取組の必要性を示している。

 定年延長によって高年齢職員の割合の上昇が見込まれていることから、若年層職員への技術・知識の伝達など、職員が経験を生かし、やりがいを持って安心して働ける環境を創出する必要があると指摘する。

 教員の処遇改善に関しては、国が教職調整額を引き上げる給特法改正案を7年通常国会に提出する予定で、都道府県・政令市における関係条例の改正は7年度以降になることが予想される。道は国における検討状況を注視し、適切に対応していくとしている。

(解説 2024-10-07付)

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