【解説】子の居場所づくり広がる(解説 2024-10-15付)
子どもの居場所づくりを支援するため、NPOなどと連携した様々な取組が各地で進められている。高校に「校内カフェ」を開設し昼食を提供したり、メタバース空間を活用して学習支援や交流機会を提供したりする例もあり、潜在化しているニーズを把握した事例が生まれている。
子どもが多様な他者と関わり学び合う機会が減少する中、共働きやひとり親家庭の増加で家庭における子育ての孤立化が懸念され、子どもの居場所づくりの重要性が一層高まっている。
こども家庭庁は実態調査、広報啓発活動、コーディネーターの配置など市町村の取組を支援しているほか、効果的な支援方法を検証するモデル事業に取り組んでいる。6年度は道内の自治体を含む多くの自治体・事業者が事業を受託し、民間団体の創意工夫による居場所づくりや子どもの可能性を引き出す効果的な支援方法を検証している。
生徒の憩いの場となる「校内カフェ」を設置した高校では、学校内外の多様な大人とのつながりをつくることで、生徒の困り感の早期発見・対応、中途退学の未然防止に寄与。空き教室でおにぎりなどの軽食を提供したり、コメや食料品などを備蓄して困窮家庭に提供したりする例もあり、学校を拠点とした支援体制が構築されつつある。
匿名性の確保やアクセスの問題からメタバース空間を活用した取組も。不登校・ひきこもりの児童生徒を対象とする交流スペースで学習支援、プログラミング、eスポーツなどのコミュニケーション支援を行う地域や、LGBTの子ども・若者を対象とした交流拠点を仮想空間上に設置する取組も行われている。
こども家庭庁は当事者の声をもとにした動画・パンフレットを12月をめどに作成。子どもの居場所づくりの重要性を啓発する予定。
(解説 2024-10-15付)
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