【解説】交通安全教育 警察連携強化を
(解説 2024-10-11付)

 5月の道交法一部改正によって11月から自転車運転中における携帯電話の使用が禁止となり、8年5月までに自転車利用者に対する交通反則通告制度が導入される。いずれも16歳以上が反則制度の対象となることから、文部科学省は今月上旬に全国の都道府県教委などに注意を喚起する通知を送付。警察と連携して交通安全教育の充実を図るよう求めた。

 警察庁の発表によると5年中の自転車関連事故は7万2339件で前年比2354件の増。全交通事故に占める構成比は23・5%で平成29年の19・1%から上昇。自転車と自動車の事故の内訳は出合い頭の衝突の事故が55%と最も高く、自転車側の安全不確認、一時不停止の違反が多い。

 11月から追加される罰則の対象は「自転車運転中の携帯電話による通話と画面を注視する行為(停止中の操作は対象外)」「酒気帯び運転およびほう助」。携帯電話の使用者は6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金、交通の危険を生じさせた場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる。信号無視などの危険行為を反復して行った場合、自転車運転講習制度の対象となる。

 また、ペダル付き原動機付自転車をペダルのみで走行させる行為が「運転」に該当することとなり、今後運転免許が必要な高校生などに正しい交通ルールを周知する必要がある。

 全国的にヘルメット着用率が徐々に上昇している一方、小中学生と比べて特に高校生の着用率が低い課題がある。自転車通学の許可条件として、中学校・高校にヘルメット着用を求めている自治体もあり、ヘルメット着用率の向上に効果が見られているという。文科省はあらためて児童生徒に対する交通安全教育に向けた警察との連携強化を求めている。

(解説 2024-10-11付)

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