【解説】入試業務に生成AI(解説 2024-10-09付)
文部科学省は7年度から、大学入試業務における生成AIの活用の可能性を探る調査研究の着手を計画している。大学入試業務における公平性・公正性の確保とともに、作問に携わる教職員の負担軽減を図ることがねらい。研究成果を踏まえ、生成AIと人間との適切や役割分担やセキュリティー対策に関するガイドラインを策定するとしている。
大学入試は業務に携わる大学の教職員の負担が大きく、作問・採点のミスの発生など課題が多い現状にある。出題ミスが明らかになった場合、不合格になった受検者の追加合格、受験生への謝罪など様々な問題に発展する可能性がある。
文科省の5年度調査によると、大学入学者選抜において外部からのミスの指摘があったと回答した大学は17・2%。内訳は国立大が39・0%、公立大が13・5%、私立大が19・4%と国立大学で多い。公立短大では7・7%、私立短大では7・6%だった。
外部からのミスの指摘に等に対する検証体制は「作問者のみで検証」が82・1%と最も多く、学外者による検証体制を構築している大学は25・5%だった。
調査研究の期間は7、8年度の2年間を想定しており、7年度予算概算要求では2000万円を計上した。国公私立大学、独立行政法人に事業を委託し、大学入試業務における生成AI活用の可否やリスクを検証することで教職員の負担軽減、大学入学者選抜全体の質の向上を推進する。
生成AIを活用したテストの作成ツールは民間企業において開発が進みつつあるが、入試業務では公平性・透明性の確保の在り方が焦点になりそうだ。文科省は生成AIと人間との適切や役割分担やセキュリティー対策に関するガイドラインを取りまとめ、全国の大学に普及させる考え。
(解説 2024-10-09付)
その他の記事( 解説)
【解説】高校の予備端末 有効活用を
高校で整備された予備端末の貸与が低調だったことを受け、会計検査院は15日付で文部科学大臣に改善を求める意見書を提出した。19道府県38事業主体の状況を調査した結果、端末の最大貸与率は65・...(2024-10-17) 全て読む
【解説】運動能力 3世代の特徴
スポーツ庁は13日、5年度体力・運動能力調査の報告書を公表した。昭和39年度・平成5年度・令和5年度の各調査における10歳の運動能力を比較した結果、ボール投げは男子が昭和39年度、女子が平...(2024-10-16) 全て読む
【解説】子の居場所づくり広がる
子どもの居場所づくりを支援するため、NPOなどと連携した様々な取組が各地で進められている。高校に「校内カフェ」を開設し昼食を提供したり、メタバース空間を活用して学習支援や交流機会を提供した...(2024-10-15) 全て読む
【解説】交通安全教育 警察連携強化を
5月の道交法一部改正によって11月から自転車運転中における携帯電話の使用が禁止となり、8年5月までに自転車利用者に対する交通反則通告制度が導入される。いずれも16歳以上が反則制度の対象とな...(2024-10-11) 全て読む
【解説】ケアラー支援推進月間
11月は、道が定めるケアラー支援推進月間。ケアラーを支援する様々な啓発活動やイベントが道内各地で行われる。 道は11月21日、札幌毎日会館でケアラー支援推進シンポジウムの開催を計画。介...(2024-10-10) 全て読む
【解説】日本財団 若者の政治関心調査
日本財団は18歳意識調査「総裁選・政治関心」の調査結果を公表した。今後の政治に注力してほしいテーマは「少子化・子育て支援」が38・2%と最も多く、つぎに「経済・景気対策」、女性は「働き方改...(2024-10-08) 全て読む
【解説】能力発揮できる環境を
近年、給与制度の改定は若年層職員を重点に引き上げを続け、一般職と係長級以上の役職者との給与差が小さくなっている。このため人事院は政策の企画・立案、高度な調整などを担う職員の処遇改善の在り方...(2024-10-07) 全て読む
【解説】留学生の経済支援 拡充を
文部科学省は、Global×Innovation人材育成フォーラム中間まとめを公表した。日本人学生の海外派遣50万人の目標を達成するため、四つの観点から留学促進に向けた今後の方策を提言。高...(2024-10-04) 全て読む
【解説】日本語教師不足 顕著に
文部科学省の5年度日本語教育実態調査によると、日本語を学習する外国人が増加している一方、日本語教師の7割以上をボランティアや非常勤講師が占めていることが分かった。外国籍の住民が通える日本語...(2024-10-03) 全て読む
【解説】点検作業の効率化に寄与
道教委が7年度道立高校入学者選抜から導入する出願手続きの一部電子化(ウェブ申請)の入力受付が12月6日から始まる。手書きの手間が減り、書き損じがあった場合の修正が容易になるなど受検者と保護...(2024-10-02) 全て読む