【解説】医療的ケア児 受入進む
(解説 2024-09-26付)

 道は5年度医療的ケア児に関する状況調査結果をまとめた。札幌市を除く道内医療的ケア児の人数は412人で2年連続で増加。特に小学校と保育園で増加しており、看護師の配置によって受け入れが進みつつある。家族が抱える課題は「急病や緊急の用事等ができた時に預け先がない」が最多となるなど、家族の負担軽減に向けた支援の必要性が浮き彫りとなっている。

 調査対象は20歳未満の在宅の医療的ケア児。調査時点は5年4月1日。

 就学状況の割合をみると、特別支援学校小学部で下降した一方、保育園が2・0ポイント上昇して7・6%、小学校の特別支援学級が1・9ポイント上昇して18・8%、小学校の通常学級が1・9ポイント上昇して5・5%といずれも上昇した。全体の69・9%が通園または通学しており、自家用車やスクールバスの利用者が増えている。

 放課後児童クラブの利用希望者のうち、通所している割合は49・4ポイント上昇して82・7%となり、受け入れが進んでいる。

 必要な医療的ケアの内容は服薬管理、経管栄養、吸引(口鼻腔・気管内吸引)の順に多く、全体の45・6%が経管栄養を必要とする。

 医療的ケアの実施者は母親が84・7%と最も高い。家族による実施者のうち44・3%が何らかの仕事に就き、うち31・8%が勤務日数や労働時間の増加を希望している。

 国は本年度から医療的ケア児と家族を支援するための補助メニューを拡充。看護職員などを保健センター、公共機関、自宅に派遣するなど、一時的に預かる環境を整備する取組の経費を都道府県負担のもとで支援している。札幌市や旭川市が同事業を活用しており、道は他市町村にも活用を呼びかけている。

(解説 2024-09-26付)

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