道教大 へき地校体験実習Ⅰ・Ⅱ 小規模校での実践学ぶ 札幌・旭川・釧路校191人研鑚(関係団体 2024-10-07付)
小山内さん
【釧路発】道教育大学では「6年度へき地校体験実習Ⅰ・Ⅱ(1週間実習)」を8月から実施している。札幌校・旭川校・釧路校の2年生と4年生の合計191人が参加。道内のへき地校での体験実習を通して、きめ細かな少人数指導や地域との連携など、小規模校における様々な教育活動を体験している。
へき地校体験実習は、へき地・小規模校教育の特色である「きめ細かな少人数指導」「教師と児童生徒との密接な信頼関係」「地域と連携した学校経営」等の体験を通して、今日の教育課題に対応する高い教育実践力や課題解決能力を身に付けた教員の育成がねらい。
釧路校では、8月25日から十勝・根室・釧路管内の小・中学校、義務教育学校21校で、へき地校体験実習(1週間実習)を開始。51人が臨んでいる。
◆釧路校の3人 浜中中で実習
このうち浜中町立浜中中学校(柏尾和市校長、生徒数18人)では、2年生の小山内康生さん、長岡宜秀さん、石丸翔大さんの3人が実習を体験。最終日となる9月27日には「実習生発表会」が開かれ、自身の今までの経験や今回の実習で得たことなどを踏まえ、全校生徒の前でプレゼンテーションを行った。3人は、パワーポイントなどを駆使しながら、生徒に様々な角度から自分の思いなどを伝えた。
小山内さんは小学校の担任の先生に憧れたことがきっかけで教師の道を志したものの、高校での行いが悪い方向に響き、夢は危うい方向に。そこで、学習の習慣化を見直した経験を披露。将来の選択肢はたくさんあるが、勉強することが重要であり、そのためにも習慣化を身に付けるよう促した。
長岡さんは中学時代の恩師の言葉「お前はできる。もっと自信を持て!」と励まされたエピソードを紹介。この時に、子どもの力になれる教師を目指すと決めたことを話した。生徒たちには「自分はできる・自分を信じる」ことの大切さを呼びかけた。
石丸さんは結果より今まで積み上げてきた経験が今後の力になると、自身の挫折体験を交えながら訴えた。苦しい時に助けられた経験から、人を支えることができる先生になりたいと決意。悩んでいる子どもを今度は自分が助ける番だと確信したと力を込めた。
1週間の体験実習を終えた3人は「生徒と教師が一体となって学校祭をつくり上げていく姿に感動した」「純粋に楽しかった。一人ひとりとの距離が近く濃い時間だった」「生徒からのメッセージや声かけなど、今回の実習は自分を見つめ直す良い機会になった」などと話し、へき地・小規模校の特色でもある少人数指導や教師と子どもたちとの信頼関係などを実感したという。
生徒たち(3年)からは「失敗談や成功談は、自分たち受験生の教訓にもなり、学び続ける大切さを感じた」といった声があり、年齢が近い学生たちの体験が心に響いた様子。
柏尾校長は「実習最終日の発表会はキャリア教育の視点からも生徒たちの良い刺激になっている。人生キャリアの真っただ中にいる学生の生の声は新鮮であり、生徒の心を揺り動かす力を感じた」と3人の今後のさらなる活躍にエールを送った。
へき地・小規模校教育研究センター副センター長の川前あゆみ教授(釧路校)
は「2年生は観察実習が中心だが、実習校それぞれの特色ある教育実践に学ぶことで有意義な実習になった。学生は、実際の児童生徒を前に自身の教育観を問い直し、つぎの目標を見いだした学生も多い」と話し、各実習校への感謝の意を示すとともに、学生たちのこれからの飛躍に期待を寄せた。
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長岡さん
石丸さん
(関係団体 2024-10-07付)
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