より良い自分 創造する子を 道生総連 旭川で第33回大会
(関係団体 2024-10-16付)

道生総連第33回旭川大会開会式
道生総連第33回旭川大会開会式

 【旭川発】道生活科・総合的な学習教育連盟(道生総連、委員長・加藤秀樹札幌市立南月寒小校長)は11日から2日間、旭川市立高台小学校で第33回道生活科・総合的な学習教育研究大会を開催した。全道各地から関係者120人ほどが参加。三つの公開授業や二つの課題別分科会、講演などを通して、より良い自分を創造する子どもの育成に向け共通理解を図った。

全道研究主題は「自ら学びの世界を拡げ、よりよい自分を創る子ども」、旭川大会の主題は「よりよい未来を創造する子どもの育成」。

 旭川市内での大会開催は令和元年度以来で通算6回目となった。

 開会式では、加藤委員長があいさつ。「社会の変化が予想以上に早くなり、先行きも不透明さが増している」と述べ、生活科や総合的な学習の時間を通して児童に生きる力を身に付けさせることの必要性が一層高まっているとの認識を示した。

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市において避難所となった小学校で、地元の児童生徒が作成した壁新聞を紹介。

 壁新聞は、避難所でのルールや炊き出しでの注意事項、物資の配布状況などが書かれたもので「学年の枠を越え、協力して問題を解決する姿が見られた。これはまさに、生活科や総合的な学習における学びのプロセスそのもの」と述べ、実生活で生きる実践の大切さを指摘した。

 続いて、小山恒研究部長と旭川市生活科・総合的な学習教育連盟の小原広士研究部長が提言。元年度からの研究概要を振り返り、新型コロナウイルスの影響によって全道大会を中止した年もあった中、オンラインを有効に活用して実践を積み重ねてきたことを伝えた。

 公開授業では、会場校の高台小から入江祐輝教諭が2年生の生活「生きものはかせになろう!」、近田泰斗教諭が4年生の総合的な学習の時間「福祉のまちと春光台と私」をそれぞれ指導。また、旭川市立愛宕東小学校の菅晃宏教諭が6年生の総合的な学習の時間「東っ子プロジェクト~買物公園の今を考えよう」の授業を展開した。

 終了後は、道教委や旭川市教委の指導主事らを助言者に授業分科会を開き、より良い授業の実現に向け認識を共有した。

 2日目は、課題別に分科会を開催した。生活科では、網走市立東小学校の谷口寛人教諭が「自分発・自分行を実現するための生活科の手だて」、和寒町立和寒小学校の杉立耕平教諭が「思いや願いを高める環境構成の工夫と対話場面の設定」と題して実践を発表した。

 総合的な学習の時間では、道教育大学附属札幌小学校の中嶋孝幸教諭が「手応えでつなぐ総合的な学習の時間の学び~運動会応援Tシャツプロジェクトの取組から」、浜中町立霧多布小学校の渡辺達樹教諭が「一人一人が探究に没頭し、“私の可能性”を自覚できる総合的な学習の実践を目指して~浜中町霧多布地区を題材に」をテーマに発表し、コーディネーターの助言を得ながら参加者は授業の在り方に迫った。

 最後に、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官を務める齋藤博伸氏が「体験活動が充実する生活科、子供が本気になる総合的な学習の時間」と題して講演した。

(関係団体 2024-10-16付)

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