檜山校長会が教育研究大会 尊重し“最適解”探って 2校長が提言発表(関係団体 2024-10-17付)
檜山校長会教育研究厚沢部大会
【函館発】檜山校長会(笠松靖史会長)は4、5日の2日間、厚沢部町民交流センターで教育研究大会を開催した。学校経営と教育課程の2分科会を開き、せたな町立瀬棚小学校の越前秀一校長と江差町立南が丘小学校の安田善紀校長が各町で取り組んだ研究成果を提言。心理的安全性の高い職場づくりや、ICTを活用した確かな学力の向上に向け、越前校長は「周囲を尊重し“最適解”を探る校長の姿勢こそ、組織の活性化に導く鍵になる」、安田校長は「校長自らが研鑚を積み、具体的な経営ビジョンを明示し、浸透させる適切な助言が重要」とそれぞれ校長として求められるリーダーシップ像を主張した。
大会主題は「ふるさと檜山に誇りをもち、自己実現に向けて未来を切り拓く児童生徒の育成」。檜山管内の小・中学校長27人が参加した。
本年度は第13次3ヵ年研究の2年次目。初日の開会式で笠松会長は、組織マネジメントを生かした学校経営と教育を取り巻く多様な課題への適切な対応について「教育情勢を踏まえた学校改善と課題解決への道筋を見いだすため、校長同士が思いを一つに職能向上を目指し、研修を深めたい」と決意を述べた。
研究提言は学校経営(せたな町校長会)と教育課題(江差町校長会)の2分科会に分かれて行われた。それぞれ教育行政執行方針を学校経営方針に位置付けた研究に着手し、せたな町教委が主導するスクールアドバイザー(SA)によるメンタルヘルスケア面談の開示結果を踏まえた校長としての関与や、江差町教委が推進するICT機器とアナログの融合に向けたカリキュラム・マネジメントについて、効果や課題を検証した。
第1分科会では「組織の活性化と教職員の資質向上を図る組織マネジメントと校長の在り方」をテーマに設定。越前校長は①働き方改革②経営参画意識の向上とチーム学校③研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励―の3点を視点に定めた。校長がファシリテーションスキルを発揮することによって「教職員が任されている業務に充実感を得るだけではなく、自身の専門性に磨きをかけながら初任段階教員の育成に関与する教職員が見られた」などと考察した。
校長のリーダーシップによって、多くの学校で風通しの良い職場づくりが進められている一方で「管理職の言動によって傷つき、ストレスを抱えている教職員がいることは由々しき事態」と指摘。町教委の笹原昌子SAの助言を引用し「教職員の本音と真摯に向き合い、多様性・自律性を生かすためには校長の“安全・安心”と“リスペクト”が不可欠である」と提唱した。
町内6小・中学校における学校組織の活性化に向けては「町校長会の多様性を強みに、学校経営における認識や枠組みを省察する機会の拡充に努めることが重要」と強調。校長自らが“唯一解”を伝達する管理者としての立場から、新しい時代に求められる“最適解”を探求する経営者としての姿勢へ発想を転換する必要性を訴えた。
第2分科会では、安田校長が「確かな学力の向上を目指す教育課程編成と校長の在り方」と題し、デジタルとアナログの融合を意識した授業改善の推進を研究の焦点に当てた。町内各校が教育行政執行方針を経営方針の重点として位置付けたことで「実践の幅が広がり、町全体で取組の系統性が図られた」など経営ビジョンの浸透を成果として挙げた。
一方、教職員のICT活用能力には差異があるとし、各校のOJTの位置付けや、校長自らが研鑚を積む必要性を強調。「成功体験を重ね、教職員や児童生徒と共に使いこなせるよう努めていくことが重要」と締めくくった。
(関係団体 2024-10-17付)
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