渡島公立幼・こども園教育研究大会　遊びの重要性を発信　森幼　子のやる気引き出す

（関係団体 2024-10-22付）

渡島公立幼・こども園教育研究大会

　【函館発】第４６回渡島公立幼稚園・こども園教育研究大会が１０月上旬、森町立森幼稚園で開かれた。研究大会主題は「今こそ、遊びの重要性の力強い発信」、副主題は「“知りたい”“やりたい”夢中になって遊ぶ保育を目指して～子どもの生活体験を豊かにする遊びを考える」。公開保育や全体会を通じて、子どものやる気を引き出す教育活動の工夫や職員研修の在り方などに関して学びを深めた。

　渡島公立幼稚園・こども園教育研究会（青山まゆみ会長）は加盟園数の減少に伴い、本年度をもって解散する。大会には管内幼稚園や森町内小・中学校の教職員らが参加し、最後まで日々の実践を共有しながら研鑚を積んだ。

　会場の森幼稚園は、日々の活動に園児が「ときめき」「ひらめき」を持つきっかけを散りばめ、園児の活動に対するモチベーションを高めている。この日、テーマ「忍者の城で遊ぼう！」のもと、３～５歳の全園児に対する運動遊びを公開。遊戯室には平均台やはしご、マットなどを活用した約１０種類もの遊び場を用意し、多様な体づくりに結び付く環境を整備した。

　遊戯室に向かう道中も忍び足で静かに歩くなど、「忍者の城」の世界観を、日常の動作や話を聞く姿勢などにもつなげている。各種遊び場では園児たちが興味・関心に沿って運動遊びを楽しむ傍ら、教諭７人体制で安全を管理。園児が一つの遊び場に偏らないように一人ひとりを見取り、多様な運動を体験できるよう誘導した。

　園児の首回りまで高さのある障害物では、跳び越えることに苦戦する園児にポイントを伝え、直接の補助なく成功する達成感を与えた。ほかの遊び場においても、何度も挑戦する園児に対し、周囲の園児たちに呼びかけながら応援や拍手喝采を送った。

　運動遊びが終わって集合し、教諭は「できるようになったこと」を問いかけ、園児の発表に応じて挑戦した過程を共有した。全員が教諭の言葉に注意を向けていると、後方に箱を用意し、忍者からの贈り物として園児の興味を引き付けた。二つの巻物を組み合わせて文章を完成させる謎解き、忍者からのメッセージなどの要素によって、今後の運動遊びに対する動機づけを図った。

　公開保育後の全体会では、青山会長が同会の歩みを振り返り「皆さんと一緒に保育研究を語ることも最後。様々な気付きや思いを活発に交流しながら、実り多き一日に」と呼びかけた。

　研究発表等を踏まえ、渡島教育局の中嶋由佳主任指導主事は「幼児の遊びに主体性が必要なように、先生方の研修においても主体的に、共通の視点で幼児を見て、対話から互いに豊かな気付きを日常的に醸成してほしい」「取組による子どもの変容、成果と課題を子どもの姿から検証し、日々の保育に生かしてほしい」と講評した。

(関係団体 2024-10-22付)