学びと育ちの政策連携で 柔軟な組織体制必要 道総合教育大綱改定へ委員
(道・道教委 2024-11-01付)

道総合教育会議
あいさつする鈴木知事

 道と道教委は10月30日、札幌グランドホテルで第3回道総合教育会議を開催した。7年度からスタートする道総合教育大綱の改定素案について道教委の各委員が意見。「学び」と「育ち」に係る政策連携を実現するため、関係部署が連携しやすい柔軟な組織体制を構築する必要性が指摘された。

 改定素案の基本理念では「こどもまんなか」の考えから子ども政策と教育政策の相互連携を明記。「持続可能な社会の創り手を育む」など四つの基本方針、44の個別政策から今後の取組の方向性を示す。

 開会に当たり鈴木直道知事があいさつ。「誰一人取り残されることなく生涯にわたって学び続けることができる環境を整えていくためには“こどもまんなか”の考えのもと、学びと育ちの両方の政策が緊密に連携を図り、子ども・若者の健やかな成長を社会全体で後押しすることが必要」と述べ、各委員に忌憚のない意見を求めた。

 続いて改定素案を審議。青山夕香委員は、不登校の児童生徒の実態が多様化する中、学校組織の在り方を転換する必要があるとし「北海道には魅力的な学校がたくさんある。今の子どもたちの多様性に合った学校が一校でも増えてくれれば」と期待した。

 渡辺一人委員は、大綱の理念を実現するには関係部署が連携しやすい柔軟な組織が必要とし、担当者・部署間の連携、融合する体制整備を求めた。

 川端絵美委員は、生きる力の基礎となる体力や健康、経験や体験の重要性が広まるとともに、大綱に掲げる理念を体現する人間が育つよう期待を込めた。

 大鐘秀峰委員は、国宝として指定された北海道白滝遺跡群出土品に関連した旧石器文化のほか、教職の意義や魅力発信の重要性を大綱に盛り込むよう提案。また、インクルーシブ教育システムや合理的配慮に関する記載の充実を求めた。

 清水彰委員は、過疎化・人口減少が進む中、ICT技術や遠隔授業の拠点となる道高校遠隔授業配信センター(T―base)の役割の重要性を記載するよう提案した。

 中島俊明教育長は「本道の全ての子どもたちが、住んでいる地域や経済状況にかかわらず質の高い教育を受けることができるよう、引き続き教育の機会均等、学びの質の保障に取り組んでいく」と決意を示した。

 改定素案は4定道議会での審議を経て12月に子ども向けを含むパブリックコメントを実施。7年1月に開催する次回会議で協議し、年度末に改定する。

(道・道教委 2024-11-01付)

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