【解説】地域・学校・個人で格差(解説 2024-11-05付)
道教委が道立高校における5年度の時間外在校等時間の状況を分析した結果、学校規模が大きくなるほど多忙になる傾向が見られた。時間外在校等時間が360時間以内の教職員の割合は1間口の高校で55・6%だったが、8間口では44・1%に下降。部活動の顧問業務や生徒数に対応する日常業務が増加していると分析する。
学科別では、職業学科よりも普通科、複数学科設置校の時間外在校等時間が多く、定時制と特別支援学校で比較的少ない傾向が見られた。普通科では進路指導や放課後の学習指導での負担の声が上がっている。
管内別でも状況に差が見られ、時間外在校等時間が少ない管内は空知、日高、渡島などと続いた。土日の部活動遠征の引率業務が負担になっている地域もあり、道教委は今後分析を進め、好事例を全道に展開する必要があるとしている。
年代別にみると、30歳以下の若年層で「361~720時間」の割合が最も高く、授業準備や校務処理に時間を要している実態が見られる。
41~60歳で長時間勤務の傾向が見られる職員もおり、1000時間以上と極端に多い教職員は年齢層が上がるにつれて上昇する傾向がある。「仕事を丁寧に進めたい」「長時間をかける働き方を変えられない」「ICTの活用など新たな業務への対応に苦慮」などの声も上がっている。
道教委は、学校・教育委員会による優れた実践事例や業務改善のアイデアを随時募集しており、働き方改革の好事例を整理した「アイデア・バンク」をウェブページで公開している。
また、働き方改革通信「マイレボリューション」では、地域人材の活用や校務DXなど業務改善に資する様々な取組を取り上げており、各学校の取組に役立てるよう呼びかけている。
(解説 2024-11-05付)
その他の記事( 解説)
【解説】いじめ分析へ専門家会議
いじめの5年度認知件数は73万2568件と過去最多を記録。いじめ重大事態の発生件数は1306件となり、10年前の179件の7・2倍まで増加した。全体の約4割が重大事態に至るまでいじめとして...(2024-11-12) 全て読む
【解説】一時保護施設の基準整備
道は7日に開かれた道議会子ども政策調査特別委員会で「仮称・道一時保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例」素案を示した。一時保護中の児童が安心して過ごせるよう①職員の配置数②居室面...(2024-11-11) 全て読む
【解説】防衛費増額に賛否
日本財団は18歳意識調査「アメリカ大統領選/国家安全保障」の調査結果を公表した。米国の大統領交代による日米関係として「良い変化があると思う」との回答は25・6%、「悪い変化があると思う」が...(2024-11-08) 全て読む
【解説】個別最適な学び 実現へ
調査報告書では、授業改善に向けた元国立教育政策研究所学力調査官3人による分析・考察を掲載している。 国語科では、実際の言語活動を想定した場面・状況の把握が不十分なまま解答している傾向が...(2024-11-07) 全て読む
【解説】ひとり家庭支援へ方針見直し
こども家庭庁は、母子家庭・父子家庭・寡婦の生活の安定・向上に関する基本方針を7年1月以降に改正する。対象期間は7~11年度。伴走的な相談体制の強化、生活支援や学習支援の充実、自治体の支援体...(2024-11-06) 全て読む
【解説】学びの多様化 全国で事例も
小・中学校の不登校の児童生徒数は前年度比で1991人増、高校で96人増となった。欠席日数が30日未満でも不登校傾向や保健室登校、遅刻・早退が多い児童生徒もいることから、実態はより深刻である...(2024-11-01) 全て読む
【解説】SOZOWが教育プログラム
SOZOW㈱は経済産業省の「未来の教室実証事業」の採択を受け、11月から道内の小中学生にデジタル・非認知スキルを育成する教育プログラムの提供を開始する。マインクラフトを活用して地域の魅力を...(2024-10-31) 全て読む
【解説】学校満足度など改善傾向
文部科学省は25日、21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の結果を公表した。コロナ禍が明け、学校生活の満足度、精神的健康、自尊感情は改善傾向に。「子どもは持ちたくない」と回答した女子は...(2024-10-30) 全て読む
【解説】基本給の引き下げ否定
阿部俊子文部科学大臣は25日の記者会見で、若手教師のサポートなどを担う「新たな職」創設に伴う一般教員の基本給引き下げを「考えていない」と否定した。新ポストの創設は7年夏ごろまでに仕組みを構...(2024-10-29) 全て読む
【解説】2割の学校で教員不足
全国公立学校教頭会は、教員不足など緊急課題に関する速報を公表した。6年度当初から教員未配置となっている学校は21・0%。副校長・教頭が学級担任等を務めることで校務が滞り疲弊していくケースも...(2024-10-28) 全て読む