【解説】学びの多様化 全国で事例も
(解説 2024-11-01付)

 小・中学校の不登校の児童生徒数は前年度比で1991人増、高校で96人増となった。欠席日数が30日未満でも不登校傾向や保健室登校、遅刻・早退が多い児童生徒もいることから、実態はより深刻であることが予想される。4年前と比べ、小学1年生は2・5倍に増えており、安心して学べる学校づくりに向けた幼児教育・小学校教育の円滑な接続も重要となっている。

 文部科学省が実施したヒアリング調査によると、不登校の割合が低い学校では「ストレスなく学習の意欲を持ち続ける工夫」「特別な取組を行っているわけではなくどの学校でも行うべきことを働き方改革とバランスを取りながら続ける」などの特徴があった。今後、これらの学校の事例を収集・公開する予定。

 徐々にではあるが配置が広がる学びの多様化学校(不登校特例校)では、柔軟な教育課程を編成して個に応じた学びを徹底することで学力の定着、社会性の育成、自己肯定感の向上などの効果が見られている。

 大阪市立心和中学校は各教科の授業時数を削減し、総合的な学習の時間を増やすことで学び直しの時間の充実を図っているほか、周囲の目が気になる生徒のため、囲い付きの机を用意するなど落ち着いて過ごせる環境を工夫している。

 他校の相談・進路指導も担うことで、地域における支援の中核的機能を果たしている岐阜市立草潤中学校の例もあり、保護者・児童生徒の意識とともに学び場としての学校の位置付けにも変化が生じている。

 保護者支援のニーズも高まっており、こども家庭庁は7年度、不登校の子どもと保護者を支援する不登校総括支援員(仮称)の試行配置を計画。学校、教育委員会、医療機関、民間施設のつなぎ役となり、個々の悩みやニーズに応じた支援を開始する予定。

(解説 2024-11-01付)

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